2024年6月25日、台湾メディア・民視新聞網は、日本の漫画作品で「台湾を国扱いしている」として中国の海賊版翻訳者が当該部分を翻訳しない声明を出し、物議を醸していると報じた。

記事は「今や中国は、国際的な場での言動で台湾が国と表現されるとすぐにピリピリするようになった」とし、このほど土山しげる氏による日本の漫画「喰いしん坊!」の海賊版翻訳者が「怒りの声明」を出したと紹介。「平凡なサラリーマンがフードファイターになるストーリーで多くのファンを獲得したこの作品が、思いがけないことにより中国人のガラスの心を打ち砕いた」と評した。

そして、X(旧ツイッター)上で拡散している、海賊版翻訳者による「怒りの声明」の内容について「作品の後半にある世界大会の部分は翻訳しないことにした。なぜなら、開催地の台湾を何ら包み隠すこともなく一つの国として扱っているからだ」といった趣旨であると説明するとともに、「こういう措置を喜んでしたいわけではないが、せざるを得ないことだ」と主張していることを紹介。「自らがライセンスを受けていない海賊版であることを完全に忘れて、『中国を侮辱している』と非難している」と指摘した。

また、台湾を国扱いしているとの理由で翻訳をボイコットした海賊版翻訳者が当該部分を文字のみのダイジェストとして紹介する姿勢を示したことを伝えた上で、これに台湾や日本のネットユーザーからは「海賊版が愛国心を訴えている」との嘲笑とともに「中国の海賊版を防ぐ最良の方法は、中国を侮辱すること」という意見さえ飛び出したと紹介している。

記事は、この件について民進党の瀋伯洋(シェン・ボーヤン)立法委員が「台湾を独立した国だという認識を主張するだけで、誰もが中国からハラスメントを受ける可能性がある。これももちろん文化的侵略の一部だ」とコメントしたことを紹介した上で、「中国はますます管理の範囲を広げており、民主国家の自由な創作にまで干渉するようになった。漫画の中で開かれた台湾の大食い大会でさえ、中国の敏感な神経に触れるようになった」と評した。(翻訳・編集/川尻)