台湾メディアの商業周刊はこのほど、中国の若者の間では「お金は使わない」の傾向が強まっているとして、米国人と対比したり、その原因を探る記事を発表した。

新型コロナウイルスの影響が下火になると、それまで買い物や外食、各種の娯楽を控えざるをえない状況だったことの反発で、一般的に消費は伸びる。しかし中国の若者の間では、それに逆行して出費を抑える傾向が強まっている。限られた資金を可能な限り貯蓄に回す動きでもある。

インターネットのSNSでは、自分の節約ぶりを披露する人も珍しくない。26歳女性と称するユーザーは、毎日の食費を10元(約221円)に抑え、月額では300元(約6600円)以下にした方法を紹介した。また、グループを作って、互いに自らの節約目標を示し合い、実際の行動も披露して、互いに励まし合う若者もいる。中には高齢者向けの食堂を利用して「食費を浮かせた」と書き込んだ人もいるという。また、ネットショッピングで「傷物商品」を探したりすることもある。

2010年代の中国の若者は、しばしば収入以上に支出して、借金をしてでも高級ブランドのバッグや、アイフォンなどを購入しようとした。しかし現在の若者は、貯蓄することに熱心だ。

中国と対照的なのが米国の状況だ。ビジネス用ソフトウェアの開発企業であるイントゥイットの調べによると、1990年代後半から2000年代に生まれた米国人の73%は、貯蓄を増やすことを考えずに、よりよい生活を楽しむことを重視している。ニューヨーク連邦準備銀行のリポートによると、米国人のクレジットカードの未払い残高は総額で1兆1300億ドル(約182兆円)に達したが、消費が後退する傾向は見えてこない。米消費者金融サービス会社のバンクレイトによると、成人米国人の約38%は、旅行や外食や観劇などの娯楽のために、今後1年間はさらに多くの債務を負うことになる。

中国人の若者が金銭を使いたがらないことについて、華東師範大学と米ニューヨーク大学の提携により上海市で設立された上海ニューヨーク大学の繆佳助教授はまず、事実と認めた。繆助教授はその上で、理由として仕事が見つからないこと、あるいは収入を増やせないことを挙げた。つまり支出を減らさざるを得ない状況という。

中国国家統計局によると、5月における中国の16−24歳の失業率は14.2%で、働ける世代全体の5%をはるかに上回った。上海に拠点を置くチャイナ・マーケット・リサーチ・グループ(中国市場研究集団)の創始者であるショーン・レイン会長兼社長は「若い人の心の中で、自信と衝動は消えてしまいました。彼らが安心して消費して市場が繁栄するまでには、数年かそれ以上がかかるかもしれません」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)