米国のバイデン大統領と韓国の文在寅大統領の初めての首脳会談が21日、米ワシントンで開かれる。これを前に韓国各紙は焦点の対北朝鮮政策で「声が一つになるよう緊密に調整しなければならない」「北朝鮮を対話のテーブルに引き出せる柔軟で現実的な対策を」などと訴えた。
保守系の東亜日報は社説で「両首脳が考える最優先議題から異なる」と指摘。「文大統領は米国が北朝鮮との対話を通じて平和プロセスを再稼働することを、バイデン氏は韓国が日本と共に米国の側に立って中国をけん制する一軸としての役割を果たすことを望んでいる」と続けた。
さらに「韓米はすでに北朝鮮に対する『完全に調整された』戦略づくりを約束したが、最近の両首脳の発言からは細部では異なるように読み取れる」と言及。「文大統領は米国に対して、トランプ政権時代の対北朝鮮政策を継続することを求めている。一方、バイデン氏は北朝鮮に外交の扉を開けながらも、『断固たる抑止』を強調している。首脳会談では声が一つになるよう緊密に調整しなければならない」と論じた。
対中政策については「米国・日本・オーストラリア・インド4カ国の枠組みQUAD(クアッド)の拡大版である『QUADプラス』への参加が議題に上がる可能性がある」と予測。韓国は中国の反発を意識して参加をちゅうちょしているが、東亜日報は「バイデン氏は4月28日、初の議会演説で、米国の反対側に賭けをすることは良い賭けでは決してないと主張した」と紹介し、文政権に注意を促した。
左派系のハンギョレ新聞は「南北米、対決ではなく対話の糸口を開くことに全力を注ぐとき」との社説を掲載。「米国の新しい対北朝鮮政策が北朝鮮を対話のテーブルに引き出すことはできず、むしろ軍事的緊張を高める方向に作用するのであれば心配すべきことだ。南北米いずれも対決ではなく対話の扉を開くために全力を注ぐとき」と主張した。
北朝鮮は2日、外務省の米国担当局長名の談話で「米国の新たな対朝鮮政策の根幹が何であるか鮮明になった以上、われわれはやむを得ず、それに相応した措置を講ずるほかない」と明らかにしたが、社説は「強硬な口調で米国を非難したことは、あまりに性急な行動だ」と批判。「北朝鮮は韓米間の調整過程を見守り、慎重に行動することが望ましい」と自制を求めた。
その上で「例えば交渉開始の前にでも『人為的な政権交代を追求しない』という形のメッセージを送るのも、一つの案かもしれない」と提唱。「今、朝鮮半島は再び軍事的な対決の局面に進むのか、それとも対話と交渉の場に出るのかの分かれ道に立っている。南北米すべての自制と努力が切実だ」と強調した。(編集/日向)