2021年10月10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、電力不足に陥っている中国が事実上の輸入停止で港などに留め置いておいたオーストラリア産石炭を受け入れたことが「制裁解除には繋がらない」とする専門家の見解を報じた。

記事は、オーストラリアとの関係が冷却化する中で、中国が昨年より国内企業に対して口頭でオーストラリアから石炭を輸入しないよう指示し、「禁令なき輸入停止」の状態を続けていると紹介。これによりオーストラリア産の石炭を積んだ多くの船が中国の港に入れない自体を招いたと伝えた。

その上で、中国では先月より全国各地で石炭不足による電力不足が発生しており、浙江、江蘇、広東など製造業の盛んな省でアップルやテスラなど国際的なブランドのサプライヤーを含めた工場に生産停止などの影響が出ているほか、東北地域では生活用の電力供給も制限される事態に陥っていると説明。この状況の中で、中国の港に設けられた保税区に留め置かれていた石炭およそ100トンが税関を通り、待機状態にあった船積みのオーストラリア産石炭の陸揚げが認められるといった動きが出ているとした。

そして、この動きについてシドニー大学ビジネススクールのハンス・ヘンドリシュケ氏が、中国はあくまで電力不足への対処としてオーストラリア産石炭を受け入れたのであって、中国がオーストラリアに対する制裁政策を緩和する兆候は見られないと述べたことを紹介。その一方で、中国が現在環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加を目指しており、参加に向けてオーストラリアの支持を取り付ける必要があるため、両国関係が今後改善に向かう可能性も残されているとの見方を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)