岸田文雄首相は衆院選の看板政策として「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」を掲げた。中国メディアは「日本で日増しに悪化する貧富の格差を解消することだ」と説明する一方で、「岸田氏には意志も実行力もない。民意に従うのは選挙の時だけ」と皮肉った。

中国網は日本について「戦後に経済の高成長を実現し、速やかに米国に次ぐ世界2位の経済大国になった。先進国の仲間入りを果たしてから長い期間にわたり、日本の全社会には『一億総中流』という全員が豊かになる雰囲気が満ちていた」と言及。「経済は飛ぶ鳥を落とす勢いで、科学技術がめざましく発展し、生活の改善が続き、国際的な地位が向上した。1990年代のバブル崩壊後のいわゆる『失われた20年』に入っても、日本社会のこの中産階級が主流という認識には根本的な変化が生じなかった」と続けた。

記事は「小泉純一郎氏が2001年に首相に就任すると、規制緩和や構造改革などの新自由主義を旗印とする競争による淘汰(とうた)の政策が推進された」と指摘。「これは派遣社員を中心とする貧困層をつくり、『富める者は永遠に富み、貧しい者は永遠に貧しい」』という新たな貧富の関係を生み出した」とした。

安倍晋三首相によるアベノミクスも「貧富のゆがみを解消しなかったばかりか、むしろ大企業と富裕層に富が集まるペースを上げ、その厚みを増した」と分析。その具体例としては株価の上昇を挙げ、「菅義偉氏は首相就任後、アベノミクスをほぼ完全に継承した。日経平均株価は今年9月14日に3万795円に上昇した。金融資産を持たない低所得者はため息をつくしかなかった」と述べた。

記事によると、岸田首相が小泉氏と安倍氏以降の「新自由主義」から転換し、「成長と分配の好循環」を実現すると主張し、かつ成長による分配を政策の重点としている背景にあるのは、日本社会の貧富の格差に対する懸念だ。「このままでは将来的に貧富の格差の急拡大、それに伴う社会からの恨み、離れていく民意により、自民党が倒れることになるとの判断がある」との見方を示した。

今後の見通しについて、中国網は「岸田内閣が数十兆円規模の刺激策を打ち出し、さまざまな名目の補助金を支給することで国民をなだめる可能性を否定できない」としながらも、「岸田内閣は中途半端に終わる可能性が高く、さらには成長により大企業の機嫌を取るといった従来の道を歩む可能性もある」と予測。「政府と内閣が今後、この問題を思い切って根絶できるかについては今のところ期待できない。『民意に従う』のは選挙の時だけであり、『利害のてんびん』こそが日本の保守政治の本質的な環境であるからだ」と論評した。(編集/日向)