国連のミチェル・バチェレ人権高等弁務官が23日から28日まで中国を訪問し、新疆ウイグル自治区の視察などを行う。米国務省のネッド・プライス報道官は20日の記者会見で、バチェレ高等弁務官の訪中について「深く憂慮している」と述べ、中国に対してもバチェレ国連人権高等弁務官に対しても不信感を示した。

プライス報道官は、中国側がバチェレ高等弁務官の活動に制限を設けるので、バチェレ高等弁務官は人権状況について完全かつ操作が加わっていない評価を行うための接触ができないとの考えを示し、「信頼できる訪問」の条件について、「高等弁務官自身が選択したコミュニティーに、透明かつ監視のないアクセスを行うこと」などと説明した。

プライス報道官はさらに、米国その他の国はバチェレ人権高等弁務官に対して、訪中について繰り返し懸念を表明してきたと説明。また、人権高等弁務官事務所スタッフが作成した新疆の状況についてのリポートを公開するよう、数カ月にわたって求めてきたという。

プライス報道官はさらに、「国連高等弁務官事務所は、報告書はすぐに公開するとたびたび確約してきたにもかかわらず、いまだに公開していない」と説明。米国は高等弁務官に対し、訪中に先立ち報告書を速やかに公開するよう求めているという。

プライス報道官は、新疆ウイグル自治区での残虐行為や中国全土におけるその他の人権侵害や虐待の明白な証拠があると主張。「高等弁務官は人権に関する国連の代表的発言者であり、そうでなければならない」と論じた上で「沈黙を続けていることは、深く憂慮すべきこと」と述べた。

一方、中国は、米国が人権問題で中国を批判し続けていることについて、「発展しつつある中国を抑えつけるための政治的思惑による誹謗(ひぼう)中傷」と主張して強く反発。さらに、「人種差別に基づく警察官の暴行によって死者が発生し、新型コロナウイルス感染症で世界最多の死者を出している米国は、人権の中でも最も基本である生きる権利すら保障されない、世界最悪の人権侵害国」と批判している。(翻訳・編集/如月隼人)