中国メディアの新京報によると、華為技術(ファーウェイ)の常務役員で、端末ビジネスグループやスマート自動車ソリューションビジネスユニットの最高経営責任者などを兼任する余承東氏は5日、ファーウェイが完成車製造の事業に参入することはないと改めて強調した。新京報が主催した新京報貝殻(シェル)財経夏サミット「デジタル移動:スマート運転時代の自動車産業のけん引の道」に参加した際の発言という。

ファーウェイは中国国内で極めて強いブランド力を持つ。例えばスマートフォンやスマートウオッチなど消費者向けの製品でも、他社製品よりも高級とのイメージが形成されているという。そのため、自動車会社が電気自動車や自動運転車を開発する場合、ファーウェイと提携すれば完成車としってのブランド力が向上するとの見方がある。

ファーウェイについてはこのところ、鉱山分野や港湾建設など、同社にとって新たな分野に積極的に乗り出す動きが目立つ。しかしファーウェイは一方で、新たな分野に進出する場合に自己完結型のビジネスは展開しないと、繰り返し表明してきた。特定業界に全面参入すれば、不毛な競争激化を引き起こすことになりかねないと考えているからで、その業界の既存企業に技術を提供する立場に徹するという。既存企業ならば自社が手掛ける分野における業務推進の問題点や望ましい発展方向を熟知しているので、そのような「悩み」を伝えてもらった上で、最適な製品やソリューションを提供すれば、より質の高い「ウィンウィン」を実現できるからという。

余氏は5日のイベントでも、ファーウェイが自ら完成車を造るのではなく、自動車メーカーが良い車を開発することを真に支援すると表明。同方針を「ファーウェイが堅持する大原則」と説明した。

余氏はさらに、ファーウェイは消費者向け製品について、「ブランド力を確立し、販売チャンネルの構築や小売りや営業での経験を蓄積してきた」と説明。既存の販売チャンネルなどを活用して、協力相手の自動車―メーカーの販売も支援する考えという。

また、ファーウェイは中国国内の自動車メーカーだけを支援しようと考えているのではない。同社は世界の現状を「情報化モデルチェンジの時代」と考えている。そのため開発したスマート自動車ソリューションの「BU」などを「中国ひいては世界の自動車メーカー」のために役立てて、スマート化、電動化、ネット接続化時代への進行を念頭に、協力相手の自動車メーカーが「優れた競争力を獲得し、ビジネスの巨大な成功を収めることを期待している」という。

ファーウェイの技術の扱い方には、確立された技術を多くの分野で利用し、新技術を取り入れたハードウェアをユニット化することで、開発や利用を省力化するといった特徴がある。余氏によると、ファーウェイはすでに、コネクテッドカーのTBOX、モーターや電源管理、フロントガラスへの拡張現実の重ね合わせ表示などの車載AR HUDといった標準化された製品を開発している。また、特に重要なものとしては電子・電気関連の再構築の関連品や、スマートコックピット、自動運転、関連する自動車向けクラウドサービスがあるという。

ファーウェイはビジネス推進における「顧客第一主義」を強調している。もちろん顧客は一般消費者である場合も、ファーウェイの製品やソリューションを導入した企業である場合もある。余氏は5日の発言でも、既存の自動車会社を「顧客」と表現し、「顧客の成功を支援し、提携する自動車メーカーとして(自動車を購入した人に)極上の体験をもたらす偉大なる製品を作ることで、さらに大きな成功を収めることを助け、(ファーウェイの顧客である自動車メーカーに)協力することでウィンウィンを達成する」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)