シンガポールなどに拠点を置く市場調査会社のカナリスはこのほど、2024年第1四半期(1−3月期)の全世界におけるハイエンドタイプのスマートフォンの、ブランド別のシェアと出荷台数の増減を発表した。アップルは依然として第1位だが、出荷台数は前年同期比で11%減だった。華為技術(ファーウェイ)は、出荷台数で世界第3位だった。ファーウェイについては、創業者の任正非最高経営責任者(CEO)が四川大学を訪問して、基礎研究に力を入れる方針を改めて強調するなどの動きもあった。

カナリスは、世界におけるスマートフォンの出荷台数の統計について、価格が600ドル(約9万4000円)以上のハイエンドモデルを対象にしたと説明した。

第1はアップルで、市場シェアは60%と圧倒的に大きい。ただし出荷台数は前年同期比で11%減だった。上位5ブランドのうち、出荷台数を減らしたのはアップルだけだった。第2位はサムスンだった。市場シェアは25%で、出荷台数は同29%増だった。

第3位はファーウェイだった。市場シェアは6%で、出荷台数は同67%増だった。上位2ブランドには大きく水を開けられているが、出荷台数の伸びはかなり大きな部類に属する。

第4位はグーグルだった。市場シェアは3%で、出荷台数は同243%増だった。市場シェアでは第3位のファーウェイに比べても規模が半分程度だが、伸び率は極めて大きかった。第5位は栄耀(Honor)で、市場シェアは2%で、出荷台数は同91%増だった。上位5位までのうち、ファーウェイと栄耀の2ブランドが中国のものだった。

ファーウェイ・ショップ

ファーウェイ絡みの最近の動きとしては、創業者である任正非CEOが5日に四川大学を訪問したことも挙げられる。同大学公式サイトによると、任CEOは汪勁松学長との会談で、「ファーウェイは科学技術革新における人材の際立った役割を非常に重視している。四川大学と手を携えてより踏み込んだ協力と交流を展開し、より多くの世界初のけん引力ある科学技術の成果の創出を後押しし、国の重要分野、世界の技術分野における重要な問題での飛躍に貢献したい」と述べた。

任CEOはさらに「ファーウェイは科学技術企業であり、基礎研究は主に応用分野での一部の探索にとどまるが、大量の予備研究、特に基礎理論の研究では、世界の数百の大学と協力して、いくつかの試みを行い、自らの不足を克服して時代の流れに追いつく努力をしている」と述べた。

任CEOと四川大学側との会談には、端末ビジネスグループの責任者なども務める余承東常務役員や、ファーウェイ戦略研究員の周紅院長も同席した。(翻訳・編集/如月隼人)