上海に来て2年。張家界などの世界的な観光地を訪れる機会にも恵まれましたが、まだまだ訪れてみたい場所がたくさんあるので、これからが楽しみです。

しかし、日本のニュースを見ると中国を批判するようなことを報道しています。中国に一度も行ったことがない人や一度も中国人と関わったことのない人がこのニュースをみて、良いイメージを持つとは思えません。テレビで取り上げられているのはあくまでも政治や政策などの「中国」という一つの国についてです。

ですが一つの国を批判するニュースばかりだと、その国で生まれ育った人にも良くない印象を与えてしまいます。例えば、中国がロックダウンになった時の日本のニュースです。日本では「ロックダウンをしても意味がない」「国民のほとんどが反対しているから早くやめるべき」などの内容のニュースしか流れていませんでした。偶然見てしまった私はとてもショックでした。私も日本にいた時にはこのようなニュースや身近な人の言ったことを聞いて、なんとなく良くないイメージを持っていました。

小学5年生の時に中国から転校生がきましたが、あまり仲良くなれませんでした。中国語しか分からないのに、いきなり日本に来てすごく戸惑って困っているのは分かっているのに、言葉がわからないということをその子と話せない、その子に何もしなかったことの言い訳にして過ごしていました。罪悪感はありましたが、卒業まで楽しく過ごせたのでそんなに気にしていませんでした。

その後、中学校に入学すると、上海に引っ越すことが決まりました。コロナ禍だったことと、これから生活する国が中国だということに大きな不安を感じていました。ですが、実際に中国に来てみると今まで感じていた不安が一気に消え去りました。空港では、同じ飛行機に乗っていた人達が困っている私たちに英語や翻訳機を使って一生懸命に教えてくれました。中にはカタコトの日本語を使って説明してくれる人もいました。何時間も私たちに付き合ってくれた人達には今でも感謝しています。

中国に初めて来たこの日から少しずつ中国に対する私の中のイメージは良くなってきました。「もっと中国について知りたい」と思えるようになってきた時、上海はロックダウンになりました。もっといろんなところに行きたかったのに……。家の中から一歩も出られなかった四ヶ月間、私はショックでなにもやる気になれませんでした。

ですが、その四ヶ月間でたくさんのことを学び経験し、かけがえのない人とも出会い、中国人の優しさにたくさん触れることができました。なかなか欲しい食べ物が手に入らない時、隣に住んでいるご夫婦がわけてくれたり、PCR検査の登録に戸惑っている時中国人の方に教えてもらったりしたこともありました。

また普段はそっけない方でも進んで助けてくれ、人間は見た目で判断してはいけないと改めて考えさせられました。PCR検査の登録をきっかけに今でもその方には中国の身近な文化や中国語、美味しい中国料理屋などを教えてもらっています。毎週末になると中華料理屋に連れて行ってもらっています。そのおかげで、同じ料理でもお店によって味や使っている食材が違うことに気づくことができ、料理別に自分好みのお店を見つけることもできました。

長く苦しかったけれど、貴重な経験ができました。たくさんの経験を通して、自分自身も中国人に対する考え方も大きく変わった四ヶ月間だったと思います。今まで助けてもらった人たちに恩返しをするような気持ちで今、現地校の国際部に入学して中国語を一生懸命勉強しています。いつか私が助けてもらったように今度は私が助けてあげられるように。

中国に初めて来た日から今日までたくさんの中国人に助けられながら生活してきました。上海での生活を経験して、私が日本で感じていた中国に対するイメージや考え方が大きな間違いであったことに気づきました。私が中国に来て戸惑っていた時にはみんなが助けてくれたのに昔の私はそれができなかった。私の小学校に来た転校生に冷たく接してしまったことをとても後悔して、罪悪感でいっぱいです。

そんな失敗を活かし、これからは助けを求めている人たちみんなに手を差し伸べられるような心の温かい人間になろうと決意しました。偉い人が言っていることやいつどこからか流れてきた噂を鵜呑みにするのではなく、実際にはどうなのか自分の目で確かめてみることが大切だと思います。今私は中国が大好きです。中国には良いところがまだまだ数えきれないほどあります。いつかあなたの足で中国に来て、あなたの目で中国の素敵なところを見つけてみませんか?きっとあなたも中国を好きになれるはずです。

■原題:私がみた中国

■執筆者プロフィール:福島 芽吹(ふくしま めぶき)

2008年東京都生まれ、東京都国立市育ち。中学2

年生の時に母親の仕事の都合で上海に引っ越し、日本人学校に通う。上海での貴重な経験を通して本格的に中国語を勉強したいと思い、高校は中国の現地校の国際部に通っている。

※本文は、第6回忘れられない中国滞在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中国と私」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

第6回忘れられない中国滞在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中国と私」