[東京 11日 ロイター] - 11日の東京株式市場で日本株は大幅安となっている。日経平均は一時、前日比900円を超える下げとなり、2万8500円台に沈んだ。ドル/円や円金利は落ち着いた動きだったものの、前日の米株市場でインフレ高進と金利上昇が警戒され、ハイテク株が売られた流れが継続した。

ハイテク株の下落要因は米国のインフレ懸念だ。5年物TIPSと通常国債の利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は10日、2.72%と2011年4月以来、約10年ぶりの水準に上昇した。

金利が上昇すると、相対的にハイテク株などグロース株の期待リターン率が低下する。「ワクチン普及による米経済の回復で年末にかけて金利が上昇するとのシナリオは、下振れした4月米雇用統計の後も崩れていない」(外資系証券)という。

米フィラデルフィア半導体指数 は10日、4%を超す大幅な下落。11日の東京株式市場でも、精密機器や電気機器などのハイテク株の下げが目立った。グロース株が多いマザーズ総合も3%を超える下落となっている。

ただ、10日の米10年債利回りは上昇したものの1.6%台にとどまり、3月30日に付けた1.776%には届いていない。「期待インフレ率の上昇は、需要側よりもサイバー攻撃による米パイプラインの停止といった供給側の要因だ。FRB(米連邦準備理事会)のスタンスにも変化は感じられない」と、野村証券のチーフ金利ストラテジスト、中島武信氏は話す。

しんきんアセットマネジメント投信の運用本部長、藤原直樹氏は連休明け以降、株価が上昇していたため利益確定の動きが強まったとみており、「ハイテクなどグロース株の売りが膨らんだが、バリュー系は下げが深まっていない。循環物色の中での調整とみることができる」と指摘。決算シーズンが進む中で、日経平均の株価収益率(PER)は下がり、割高感は解消されつつあろとして、決算が出そろえば、相場も仕切り直しになるとの見方を示している。

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