[チェンナイ 8日 ロイター] - インドの裁判所は8日、タミルナド州政府の産業安全局に対し、州内の自動車メーカーを視察し、新型コロナウイルス安全対策の共通指針を作成するよう命じた。

これに先立ち、ルノー・日産のインド部門の労働者は、社会的距離の基準が軽視されているとし、マドラス高裁に操業停止を命じるよう求めていた。

裁判所は「統一した指針を導入できるよう、産業安全局の幹部に対し、日産・ルノーなどの自動車メーカーの製造施設をさらに視察することを求める」と表明した。

ルノー・日産のインド部門はタミルナド州政府に対し、他社の事例を参考に、「適切な社会的距離」の目安を推奨するよう要請していた。労働組合との間で安全性をめぐる紛争が続いていることを受けた。

ロイターが入手した裁判所への提出書類で同社は、マルチ・スズキ・インディアや現代自動車など他の自動車メーカーの事例を参考にしており、一部の職場で従業員同士の距離を2─3フィート(約60─90センチメートル)以上にすることは「不可能」だとしている。

同社労働組合の幹部は、会社側との交渉がこう着状態に陥っていることを明らかにした。その上で「他社は、われわれが求めるベストプラクティスを採用するべきであり、その逆ではない。われわれは安全でないと感じており、だからこそ会社の方針に反対しているのだ」と述べ、反訴する構えを示した。

ルノー・日産の工場は、新型コロナウイルス感染の危険を感じた従業員がストライキを行っていたが、先週から操業を再開した。

インド南部のタミルナド州は新型コロナ感染が最も深刻な州の一つ。同州に位置する自動車製造の中心地チェンナイでは、数百人の従業員が新型コロナに感染し数十人が死亡したとして、ルノー・日産や米フォード、現代自動車の労組が抗議文を出している。