[東京 18日 ロイター] - 日銀は17─18日に開いた金融政策決定会合で、気候変動に関連した民間金融機関の投融資を支援する新たな資金供給制度を創設することを決めた。気候変動リスクが中長期的に経済・物価・金融情勢にきわめて大きな影響を及ぼしうるとみて、民間を支えることが長い目で見たマクロ経済の安定につながると判断した。

会合では、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの期限を来年3月まで延長することも決めた。今回の会合が審議委員として最後となる政井貴子氏は、決定の公表文の採決に棄権した。

<金融機関の投融資をバックファイナンス>

気候変動に関する資金供給制度は、7月の決定会合で骨子案を公表し、年内をめどに資金供給を始める。成長基盤強化支援オペの後継と位置づけ、同オペによる新規貸し付けは22年6月で終了する。

市場では、資源配分や市場中立性の観点から日銀の金融政策と気候変動問題には距離があると見られてきたが、日銀は気候変動リスクに金融政策面から対応する方針に舵を切った。日銀は声明文で、金融政策面での対応に当たっては「市場中立性に配慮しながら行うことが重要」と指摘。新制度を通じ、金融機関が自らの判断で取り組む気候変動対応の投融資をバックファイナンスする。

一方、新型コロナ特別プログラムは、棄権した政井委員を除く8名の委員の賛成多数で延長を決めた。同プログラムはコマーシャルペーパー(CP)・社債の増額買い入れと金融機関への特別オペで構成。CP・社債は22年3月末まで合計約20兆円の残高を上限に買い入れを行う。日銀は企業の資金繰りについて「ひところより改善しているが、コロナの影響でストレスが掛かる状況が続く」と指摘した。

<経済持ち直し基調も「不確実性大きい」>

現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策について、賛成多数で現状維持を決定した。

政策金利の目標は賛成7、反対1、棄権1で据え置きを決定した。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用する。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買い入れを行う。片岡剛士委員は長短金利引き下げで緩和を強化することが望ましいとして反対。政井委員は棄権した。

長期国債以外の資産買い入れ規模も据え置き。当面、上場投資信託(ETF)は年12兆円、不動産投資信託(REIT)は年1800億円の残高増加ペースを上限に必要に応じて購入する。政井委員は棄権した。

日銀は声明文で、国内経済について、感染症の影響で引き続き厳しい状態にあるが基調としては持ち直していると指摘。先行きはコロナの影響が徐々に和らいでいくもとで回復していくとみられるものの、「不確実性が大きい」との認識を示した。

当面は感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加緩和を講じると改めて表明。政策金利は、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移すると想定しているとした。