[30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は30日、金融緩和の縮小には、国内労働市場の一段の改善が必要だとし、9月の統計を見れば、今よりも自信を持って判断できると述べた。

同理事はアスペン・エコノミック・ストラテジー・グループ向けの講演原稿で「いつから資産買い入れペースを落とし始めるかという決断は、雇用分野でさらに著しい進展があったというデータの積み重ねに大きく左右される」と発言。「現時点の雇用では、まだ距離がある」と述べた。

「重要な点だが、私は9月のデータを入手できれば、今よりも自信を持って進展具合を判断できるとみている。9月には、消費、学校、仕事のパターンが、パンデミック(世界的大流行)後の常態に落ち着きつつあるはずだ」と述べた。

米労働省は9月の雇用統計を10月8日に公表する。その後、11月初旬まで連邦公開市場委員会(FOMC)は開催されない。

同理事は、第2・四半期と同じペースで雇用の拡大が続けば、パンデミック前のトレンドとの落差である900万人分の雇用の約半分が2021年末までに埋め合わされることになると指摘。

「もし、雇用の伸びが目に見えて加速すれば、やや早い時期にそうした水準に到達する可能性がある」と述べた。

米商務省が30日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比3.5%上昇と、1991年12月以来29年半ぶりの大幅な伸びを記録した。

同理事は、こうした物価上昇について、一過性のものである可能性が高く、自動車や旅行など「一握り」のセクターの需給不均衡を反映した内容だと分析。24カ月ベースでは、コアPCE価格指数の上昇率は2.3%だと指摘した。

同理事は、物価上昇圧力が広範化・長期化するリスクを注視しているが、そうしたリスクが消費者・企業のインフレ期待に埋め込まれつつある兆しはないと発言。

「インフレ率が目標を長期的かつ大幅に上回れば、インフレ率を緩やかに目標に戻すため、政策を調整する」と述べた。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は30日、今秋にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始すべきと主張。そうすれば、インフレの高止まりが続いた場合に急激な利上げを実施する必要がなくなり、景気後退のリスクを回避できるとの見解を示した。

ただ、ブレイナード理事は、テーパリングの決定と利上げの決定は全く別の物だと主張。FRBが昨秋に打ち出した「完全雇用の達成」「2%のインフレ率」「インフレ率が一定期間2%を上回る見通し」という3つの基準に左右されると述べた。

同理事は「変化する状況を引き続き注視し、段階的なアプローチを維持しながら、私たちの新しい枠組みの下で政策を実施すれば、(政府の大規模な景気刺激策が縮小され)追い風が(年内以降に)逆風に変わった時に、十分な景気の勢いを確保できるはずだ」と述べた。