[東京 3日 ロイター] - 日本製鉄は3日、2022年3月期(国際会計基準)の連結純利益予想を2400億円から3700億円(前期は324億円の赤字)に上方修正した。鋼材価格の改善やインドや北米などの海外グループ会社の損益好転が寄与している。本業のもうけを示す事業利益も4500億円から6000億円(前期は1100億円)へと、前期比約5.5倍に引き上げた。事業利益や純利益は、2014年度に記録した経営統合後の最高益を更新する。

IBESがまとめたアナリスト8人の通期純利益の予想平均は2628億円で、会社計画はこれを大きく上回っている。

業績上方修正は、販売価格の改善や在庫評価差、海外グループ会社の好調などが要因。森高弘副社長は会見で「新型コロナからの回復により、粗鋼生産や出荷が製造業を中心に改善している」と述べた。下期に向けては、製造業に加えて、建設でも戻りが期待できるという。

森副社長は「非常に良い決算」と評価しながらも、鉄鋼メーカーと最終的なユーザーが直接価格交渉をして決める「ひも付き価格」の決着が遅れていることを懸念材料として挙げ「是正されなければ安定供給に責任が持てない」と、価格引き上げの必要性を強く訴えた。

これまで未定としていた中間配当は、1株55円(前期実績はゼロ)とする予定。中間配当として過去最高となる。

通期の単独粗鋼生産見通しは4000万トンを据え置いた。前期は3300万トンだった。

21年4―6月期の純利益は1621億円(前年同期は420億円の赤字)となった。前年同期に比べて単独粗鋼生産は298万トン増加し、鋼材価格は1トンたり1万1300円改善した。