[22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利点とリスクに関する調査報告書を「近く」公表すると明らかにした。

同報告書は当初、今夏に公表される予定だった。米国がCBDCを発行すべきかどうかを巡る政策当局者の見解を探る上で、暗号資産(仮想通貨)愛好家や金融業界関係者らが注目している。

パウエル議長は、21─22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、CBDCを巡り「何ら決定はしてない」とし、米国の決済システムの安定性と信頼性が維持されることが優先されるとした。

その上で「CBDCを発行するかどうか、どのような形で発行するのか、FRBは積極的に精査している」と指摘。「明確かつ実際の利点がコストやリスクを上回る」かどうかが、CBDC評価の試金石になるとの考えを示した。

FRBは5月、米国のCBDC発行を巡る賛否両論をまとめた「ディスカッション・ペーパー」を今夏に公表すると発表していた。

パウエル議長は22日、このペーパーについて、CBDCを巡る公共政策上の問題のいくつかに取り組み、FRBが議員や一般市民からこの問題に関するフィードバックを得るための土台になるとした。

CBDCは、分散技術を利用し価格の振れが大きくなりやすいビットコインのような暗号資産とは異なる。具体的な構造は決まっていないもののCBDCの場合、保有する個人や企業は現金と同様に発行元の中銀に対する直接請求権を持つことになる。

FRB当局者の間では、CBDCの必要性を巡り意見が分かれているようだ。ブレイナード理事らは、中国など他の経済大国がより積極的に動く中、米国はこの分野でリーダーになるべきだと主張。一方、クオールズ副議長らは、コストを上回る利点があるかどうかについてより懐疑的だ。

パウエル議長は、米国の取り組みが遅れているとは思わないとの見解を繰り返した。「速さよりも、正しく行うことが重要だ」とし、「われわれは世界の基軸通貨を有しており、そのような分析と決定を行うのに良い状況にある」と述べた。