[19日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は19日、今年のアジアの経済成長率予想を6.5%とし、4月時点の見通しを1.1%ポイント下方修正した。感染力が強い新型コロナウイルス変異株のデルタ株の流行が消費や生産の足かせになるとしている。

2022年については5.7%成長を予想した。新型コロナワクチンの接種進展を反映し、4月の5.3%から予想を引き上げた。

中国の経済成長率は、今年が8.0%、2022年が5.6%と予想。ただ、繰り返される新型コロナの感染拡大や財政引き締めが消費を圧迫するとし、回復は引き続き「まだら模様」との見方を示した。

また、米連邦準備理事会(FRB)が「時機を失した政策正常化に踏み切ったり、誤解を生むような政策コミュニケーション」を行った場合、アジア新興国からの大幅な資本流出や借り入れコストの上昇を招きかねないとした。

IMFは「アジアおよび太平洋地域は引き続き、世界で最も成長率の高い地域だが、域内で先進経済と新興市場、発展途上経済の格差が拡大している」と指摘。

新型コロナを巡る不確実性や、サプライチェーンの混乱、米政策正常化の影響を理由に「リスクは下向き」とした。

インドの今年の成長率は9.5%を見込んだ。オーストラリア、韓国、ニュージーランド、台湾のように、経済発展の進んだ国や地域は、ハイテク製品やコモディティー(商品)ブームの恩恵を受けるとした。

一方、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国は、コロナ感染再拡大やサービス消費の弱さに伴う「困難な局面」になお直面していると指摘した。

インフレ期待はアジアでは「全般的に良く抑制」されているが、コモディティー価格や配送コストの上昇が、世界的なバリューチェーンの混乱と相まって、インフレ懸念を増幅させているとした。

その上でIMFは、アジアの大半の新興国は持続的な景気回復に向けて金融支援を継続する必要があるが、「回復が予想より速かったり、インフレ期待が上昇したりすれば、(中央銀行は)迅速に行動する用意をすべき」との見方を示した。