[ワシントン/バンダルスリブガワン 26日 ロイター] - バイデン米大統領は26日、オンライン形式で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に参加した。米大統領の参加は2017年以来4年ぶりで、バイデン氏は冒頭発言でASEANに対するコミットメントを表明。ただ、中国に関する言及はなかった。

バイデン氏は冒頭発言で「自由で開放的なインド・太平洋地域は、これまで何十年にもわたり、われわれの安全保証と繁栄の礎になってきた。これを維持するために、米国とASEANとの関係は必要不可欠だ」と表明。ASEANについて「全ての国が公平に競争し成功でき、国の規模や力強さにかかわらず、全ての国が法律に従う」地域との考えを示した。中国に関する直接的な言及はなかった。

米国がASEAN首脳会議に出席しなかった4年間に米中関係は悪化。年内に予定されるオンライン形式での米中首脳会議の準備が進められる中、米政府当局者も中国に関する言及を控えている。

アナリストは、バイデン氏がASEAN首脳会議に参加したことの背景には、中国に対抗するために同盟国やパートナー国との連携を強める意向があるとの見方を示している。

ホワイトハウス当局者によると、バイデン大統領はASEANとの戦略パートナーシップの拡大に向け、最大1億0200万ドルを拠出する計画を発表する。このほか、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による安全保障や経済を協議する枠組み「クアッド(Quad)」と、米英豪の安全保障協力「AUKUS(オーカス)」はASEANの地域的な役割に取って代わるものではないと確約する。

バイデン大統領は27日に東アジア首脳会議(サミット)に参加する。

<ミャンマー代表不在>

ASEAN首脳会議は、ミャンマーからの代表不在で開幕した。ASEANは10月15日の会合で、ミャンマーが4月のASEANとの和平に向けた合意を履行していないとして国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官を首脳会議に招請しないとし、代わりに非政治的な代表を招くことを決めた。これに対してミャンマーは、国家元首か閣僚級の人物の出席のみに同意するとしていた。

来年の議長国であるカンボジアのフン・セン首相は「ミャンマーをASEANの枠組みから追放したわけではない。ミャンマーがその権利を放棄したのだ」と述べた。

インドネシアのルトノ外相は、ミャンマーのための席が用意されていたが、ミャンマーが出席しないことを選択したと述べた。

ホワイトハウスによると、バイデン氏は首脳会合でミャンマー国内の暴力に「重大な懸念」を表明し、不当に拘束されている人々を解放するよう国軍に求めた。

タイのプラユット首相は、ASEANとの合意事項を履行するようミャンマーに求めた。

ミャンマーは、国家元首か閣僚級の人物の出席が認められなかったため欠席したと説明。外務省が発表した声明は「ASEANに対する抗議を示したり、ASEANをボイコットするつもりはない」としている。