[東京 28日 ロイター] - サプライチェーン(供給網)の制約が日本経済の回復に影を落としている。部品不足の影響でトヨタ自動車の9月世界販売が13カ月ぶりに前年比マイナスとなったほか、キヤノンやファナック、日立製作所は通期の業績予想を下方修正した。

日銀は28日、今年度の成長率見通しを引き下げた。

トヨタ自動車が28日に発表した9月の世界販売台数(トヨタ車とレクサス車)は13カ月ぶりに前年の実績を下回った。新型コロナウイルスの感染拡大で東南アジアで部品工場が停止するなどした影響で、十分に自動車を生産できなかった。国内の自動車メーカー8社のうち、9月は7社の世界生産が前年実績を割り込んだ。

日立製作所は27日、取引先である自動車メーカーの減産を受けて2022年3月期の連結営業利益見通しを小幅に下方修正した。会見した河村芳彦最高財務責任者(CFO)は、「第2・四半期より第3・四半期に(半導体不足の影響が)より強く出ると見ている」と語った。

半導体をはじめとした部品不足の影響を受けているのは自動車関連産業だけではない。26日に決算を発表したキヤノンは21年12月通期、27日に発表したファナックは22年3月期の連結営業利益予想をそれぞれ下方修正した。

キヤノンは部品不足に加え、原油高が樹脂製品の調達コストを押し上げているとした。ファナックは取引先の設備投資は活発で需要は旺盛としながらも、部品不足で先行きが不透明だとしている。

日立、ファナック、キヤノンとも、決算発表の翌日に株価が下落した。市場からは「下方修正を発表する企業が相次いでおり、改めて半導体不足や資源高が与える影響が警戒されている。企業決算を材料視した売りは当面続くのではないか 」(国内証券)との声が出ている。

日銀は28日に公表した経済・物価の展望(展望リポート)で、21年度の成長率見通しを前回7月の前年度比プラス3.8%からプラス3.4%に引き下げた。部品の供給制約で輸出や生産が減少していることを要因の1つに挙げた。