[ワシントン 1日 ロイター] - 米国のイエレン財務長官は1日、バイデン大統領の1兆9000億ドル規模の米国救済計画によって需要が増大したが、現行のインフレ高進の小さな一因に過ぎないと述べた。

下院金融サービス委員会での証言で、同計画が需要を押し上げたのは明らかだが、必要以上の刺激策で現行のインフレ高進につながったとの見方は公平ではないと指摘。「米国救済計画により国民の懐が暖まり、米経済の旺盛な需要を支えたことは確かだが、現在のインフレの規模と要因を見る限り、その寄与度はせいぜい小さいものだ」と語った。

バイデン大統領の対応に伴うインフレへの影響に関する共和党議員からの質問に対しては、長期にわたる失業や高い失業率をもたらしかねない需要不足に対応するために景気刺激策を実施する「非常に適切な理由」があったと主張。「景気刺激策は成功し、需要を押し上げた。これはインフレに関連するいくつかの要因の一つだ」とした。

また、インフレの主要因は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)であり、その影響で需要がサービスからモノへと「大幅に」転換し、サプライチェーン(供給網)の問題や労働力供給への持続的な影響をもたらしたと分析。パンデミックは労働力に「異常なショック」を与え、健康問題への懸念から多くの低所得労働者が仕事に復帰できない状況にあるが、パンデミックが収束すればその影響は軽減するだろうとした。

バイデン大統領が看板政策に掲げる1兆7500億ドル規模の気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」を巡っては、米経済全体に比べればわずかな規模としたほか、供給上の問題を改善し、長期的には現在進行中のインフレ圧力の緩和につながるとした。また、歳出法案に含まれる子育て支援策が特に女性の労働参加率を押し上げるとした。

米議会予算局(CBO)は歳出法案により今後10年間で財政赤字が3670億ドル増えると試算しているが、イエレン氏はCBOの試算には今後10年間で4000億ドルの歳入増加が見込まれる内国歳入庁(IRS)の徴税強化の影響が含まれていないとし、歳出法案は財政赤字の縮小に寄与するとした。