[28日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)当局者のタカ派的な発言を受けドルが一時の下げから切り返した。中国の厳格な「ゼロコロナ」政策を巡り中国全土に抗議活動が波及する中、豪ドルは下落した。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は28日、FRBがインフレを制御し目標の2%に向け低下させるために、政策金利をさらにかなり引き上げ、来年および2024年にかけその水準で維持する必要があるという認識を示した。

市場は30日にパウエルFRB議長が行う講演や12月2日に発表される11月の米雇用統計に注目している。12月13─14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%ポイント利上げが実施されるという見方が大勢。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は106.65に上昇。ただ、ドルの上昇が行き過ぎの可能性があるという見方やFRBの利上げペース鈍化観測から、9月28日に付けた20年ぶりの高値である114.78からは下落している。

中国全土に広がったコロナ規制への抗議活動を巡る懸念から、安全資産とされる円やスイスフランは上昇したものの、ドルは一時下落した。

ドル/円は0.22%安の138.87円。

ユーロ/ドルは0.6%安の1.0339ドル。

リスクに敏感な豪ドルは1.61%安の0.6648米ドル。10月の小売売上高は前月比0.2%減の350億豪ドル(235億1000万米ドル)と、今年初めてマイナスに転じたことも、豪ドルへの重しとなった。

オフショア人民元は1ドル=7.2467元に弱含んだ。

暗号資産(仮想通貨)はビットコインが1.30%安の1万6211ドル。米暗号資産(仮想通貨)レンディングのブロックファイが28日、関連会社8社とともにニュージャージー州の裁判所に米連邦破産法11条の適用を申請したことが嫌気された。

<債券> FRB当局者から近く利下げに転じるとの観測を否定する発言が相次いだことで、米国債相場はほぼ横ばいとなった。

FRBが先週23日に公表した11月1─2日のFOMC議事要旨で、政策立案者の「かなり多数」が利上げペース鈍化が「間もなく適切になる」との見方に同意したことが判明。これを受け、FRBは来年は利上げペースを減速させるとの見方が出ていた。

ただこの日、セントルイス地区連銀のブラード総裁はインフレを目標の2%に向け低下させるために、政策金利をさらにかなり引き上げ、来年および2024年にかけその水準で維持する必要があるとの認識を表明。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、FRBはインフレを押し下げるために十分に制約的な水準まで金利を引き上げ、来年を通して金利をその水準に維持する必要があると指摘。「FRBはおそらく2024年に利下げに着手する」と述べた。

終盤の取引で2年債利回りは0.8ベーシスポイント(bp)低下の4.471%。10年債利回りは0.5bp上昇の3.707%。30年債利回りは0.1bp上昇の3.753%。

10年債と2年債の利回り格差はマイナス76.6bpに拡大。リセッション(景気後退)の兆候を示すとされる長短利回り逆転はなお解消されていない。

パウエルFRB議長30日に経済見通しと労働市場について講演する。

<株式> 大幅に下落。中国の主要都市で厳しい新型コロナ対策に対する抗議活動が行われ、景気を巡る警戒感が高まった。また、iPhone生産への影響を巡る懸念からアップルが売られた。

アップルは中国にある主要iPhone生産工場での労働者の抗議を受け、既に逼迫しているハイエンドモデルの生産に一段の打撃が及ぶとの見方から2.6%下落。S&P総合500種を大きく圧迫した。

USバンク・ウェルス・マネジメントのトム・ハインリン氏は、中国がコロナを封じ込める政策を続けるか、米国などのように共存を選ぶかが注視されると指摘。コロナ自体と中国の政策が来年の株価を左右する重要な要因の一つになるとの見方を示した。

S&P500の主要11セクターは全て下落し、不動産やエネルギーの下げが目立った。

中国ネット通販大手・拼多多(ピンドゥオドゥオ)の米上場株は12.6%急伸。新型コロナのロックダウン(都市封鎖)で消費者がオンラインでの買い物を強いられる中、第3・四半期の売上高が予想を上回った。

アマゾン・ドット・コムは0.6%高。アドビ・アナリティクスによると、米感謝祭後に展開されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」に当たる28日、米国のオンライン支出額は前年から最大8.5%増加し、過去最高の112─116億ドルに達する見通し。

マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、テスラなど他の大型成長株は、強弱まちまちだった。

バイオジェンは4.3%下落。アルツハイマー病治療薬の臨床試験で被験者の1人が死亡したと伝わった。

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン(分散型台帳)関連のコインベース・グローバル、ライオット・ブロックチェーン、マラソン・デジタル・ホールディングスはいずれも約4%安。仮想通貨レンディングのブロックファイが28日、関連会社8社とともに米連邦破産法11条の適用を申請したことを嫌気した。

今週は29日発表の11月消費者信頼感指数、30日発表の第3・四半期国内総生産(GDP)改定値、12月2日発表の11月雇用統計に注目が集まる。

<金先物> 対ユーロでのドル高を背景に売られ、反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前営業日比13.70ドル(0.78%)安の1オンス=1740.30ドル。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合を前にした思惑から買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前週末清算値(終値に相当)比0.96ドル(1.26%)高の1バレル=77.24ドルだった。2月物は0.90ドル高の77.33ドル。

週末に中国各地で厳格な新型コロナ感染対策への抗議活動が広がり、同国の景気減退に伴うエネルギー需要見通しへの警戒感が強まった。これを受け、原油相場は未明の時間外取引で一時73.60ドルと、2021年12月下旬以来約11カ月ぶりの安値を付けた。ただ、OPECプラスが12月4日に開く閣僚級会合で減産を決定するかもしれないとの見方が再び浮上して切り返したほか、安値拾いの買いも入った。

ドル/円 NY終値 138.94/138.97

始値 138.14

高値 139.01

安値 138.14

ユーロ/ドル NY終値 1.0337/1.0341

始値 1.0473

高値 1.0477

安値 1.0331

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 104*31.00 3.7233%

前営業日終値 104*14.00 3.7520%

10年債(指標銘柄) 17時05分 103*22.00 3.6793%

前営業日終値 103*16.00 3.7020%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.25 3.8733%

前営業日終値 99*29.75 3.8910%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*03.38 4.4443%

前営業日終値 100*01.25 4.4790%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33849.46 -497.57 -1.45

前営業日終値 34347.03

ナスダック総合 11049.50 -176.86 -1.58

前営業日終値 11226.36

S&P総合500種 3963.94 -62.18 -1.54

前営業日終値 4026.12

COMEX金 12月限 1740.3 ‐13.7

前営業日終値 1754.0

COMEX銀 12月限 2091.5 ‐51.5

前営業日終値 2143.0

北海ブレント 1月限 83.19 ‐0.44

前営業日終値 83.63

米WTI先物 1月限 77.24 +0.96

前営業日終値 76.28

CRB商品指数 272.9187 ‐0.3348

前営業日終値 273.2535