[29日 ロイター] - <為替> 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を30日に控え、ドル/円が小幅に下落した。一方、中国の新型コロナウイルス規制が緩和するとの期待から市場心理が改善し豪ドルが急伸した。

UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「10月の消費者物価指数(CPI)発表以降、ドルが大きく反転した。FRBの政策が来年早々にピークを迎えるとの市場の見方が強まっており、FRBの金融引き締めによるドルを支える力が薄れている」と述べた。

FRBは12月13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの追加利上げを行うと予想されている。一方、0.75%ポイントの利上げ確率は過去数週間で上昇し、現時点では37%となっている。

市場ではフェデラル・ファンド(FF)金利が6月に5.01%でピークを迎えた後、23年12月までに4.64%に低下すると見込まれている。

ユーロ/ドルは0.15%安の1.0324ドル。ドル/円は0.15%安の138.69円。

豪ドルは0.46%高の0.6684米ドル。中国の保健当局である国家衛生健康委員会が29日、高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種強化に向けた通知を出したと発表したことを受けた。

オフショア人民元も対ドルで上昇し7.1445元となった。

<債券> パウエルFRB議長の講演と米雇用統計が注目される中、国債利回りが上昇した。市場では、双方でFRBは利上げペースを減速させるとの予想が裏付けられるとの見方が出ている。

パウエル議長は30日にブルッキングス研究所で経済、物価、労働市場などについて講演予定。労働省は12月2日に11月の雇用統計を発表する。このほか、第3・四半期の米国内総生産(GDP)改定値なども注目されている。

ジェフリーズのマネーマーケット・エコノミスト、トム・サイモンズ氏は、この日は「市場の流れを大きく変えるような新たな情報や経済指標はなかった」と指摘。FRBは利上げ幅は縮小する可能性があるが、金融引き締めはまだ終了しておらず、最終的な金利に達した後は当面はその水準に維持されるという「極めて一貫した」メッセージを発しているが、これが市場に受け入れられるのに時間がかかっているとの見方を示した。

終盤の取引で10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の3.752%。2年債利回りは1.5bp上昇の4.486%。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス73.6bpと、長短利回りが大きく逆転した状態が続いている。

ジェフリーズのトム・サイモンズ氏は「長短利回りの大幅な逆転は、景気が減速してもFRBの支援が直ちに行われないとの理解の下で、かなり長い景気後退(リセッション)が予期されていることを示している」と述べた。

市場関係者によると、米アマゾン・ドット・コムの起債計画を視野に国債が売られる場面もあった。アマゾンは期間2年、3年、5年、7年、10年の社債発行を計画。ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「企業による起債は若干の売り要因になる」といている。

30年債利回りは5.5bp上昇の3.804%。

<株式> S&P総合500種が続落して取引を終えた。今後の利上げ見通しについて手掛かりを得ようとパウエルFRB議長の講演が待たれる中、アップルやアマゾン・ドット・コムが下落した。

世界最大級のiPhone工場を含め中国で最近起きた新型コロナウイルス対策への抗議活動も注視され、アップルは2.1%安となった。

アマゾン、アルファベット、テスラはいずれも下落して取引を終えた。

コンファレンス・ボード(CB)が発表した11月の米消費者信頼感指数は100.2と、10月の102.2から低下し7月以来4カ月ぶりの低水準となった。

S&Pエネルギー指数は1.3%高。原油先物はこの日、中国が厳格な新型コロナ対策を緩和するとの期待から上昇したが、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が12月4日の会合で生産量を据え置く可能性が高いとの見方が上値を抑制した。

中国のアリババ・グループ・ホールディング、拼多多(ピンドゥオドゥオ)、京東集団(JDドットコム)の米上場株はいずれも5%超上昇。中国が不動産開発会社のエクイティファイナンス(株式発行を伴う資金調達)の選択肢を広げたことを受けた。

中国インターネット企業のビリビリは、四半期決算を好感して22%急伸した。

<金先物> パウエルFRB議長が翌30日に行う講演に注目が集まる中、上伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比8.40ドル(0.48%)高の1オンス=1763.70ドル。

<米原油先物> 中国の新型コロナウイルス封じ込め政策が緩和されることへの期待感を背景に続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前日清算値(終値に相当)比0.96ドル(1.24%)高の1バレル=78.20ドルだった。2月物は0.95ドル高の78.28ドル。

中国国家衛生健康委員会はこの日、高齢者の新型コロナワクチン接種強化に向けた方針を発表した。前週末に新型コロナウイルス感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が中国各地で拡大したことを受け、同政策が緩和されるとの見方が台頭。これを受け世界最大の石油輸入国である同国の需要が落ち込むとの懸念が後退し、未明には79.65ドルの高値を付ける場面があった。

ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が12月4日の次回会合で協議する産油量について、追加減産を見送り、現状維持を決めるとの報道もあり、上値は重かった。

ドル/円 NY終値 138.68/138.73

始値 137.93

高値 138.84

安値 137.91

ユーロ/ドル NY終値 1.0327/1.0331

始値 1.0382

高値 1.0384

安値 1.0321

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 103*17.00 3.8014%

前営業日終値 104*16.00 3.7490%

10年債(指標銘柄) 17時03分 103*03.00 3.7497%

前営業日終値 103*16.00 3.7020%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.75 3.9254%

前営業日終値 99*29.50 3.8920%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.13 4.4814%

前営業日終値 100*01.75 4.4710%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33852.53 +3.07 +0.01

前営業日終値 33849.46

ナスダック総合 10983.78 -65.72 -0.59

前営業日終値 11049.50

S&P総合500種 3957.63 -6.31 -0.16

前営業日終値 3963.94

COMEX金 12月限 1748.4 +8.1

前営業日終値 1740.3

COMEX銀 3月限 2143.6 +31.1

前営業日終値 2112.5

北海ブレント 1月限 83.03 ‐0.16

前営業日終値 83.19

米WTI先物 1月限 78.20 +0.96

前営業日終値 77.24

CRB商品指数 275.5185 +2.5998

前営業日終値 272.9187