[東京 7日 ロイター] - 生活用品大手のアイリスオーヤマ(宮城県仙台市)の大山晃弘社長はロイターとのインタビューで、物価が上昇する中で来年度もベースアップ(ベア)を検討する考えを明らかにした。ベアにまで踏み込む企業が少数派の中、実施すれば4年連続となる。

同社は基本給を底上げするベアを3年連続で実施しており、2022年度は正社員を対象に平均3.6%(5000円─4万5000円)引き上げた。大山社長は来年度も賃上げを検討しているとした上で、「消費マインドを改善するにはベースアップが基本」と語った。

ロイターが10月に日本企業250社を対象に行った調査によると、来年度の春闘で何らかの賃上げを検討しているとの回答は8割に上った。しかし、定期昇給以上の賃上げについては不透明とする声が多く聞かれた。

デフレが長く続いた日本でも、原材料高による値上げを背景に11月の消費者物価指数は40年ぶりの高い伸びとなった。企業の間で「インフレ手当て」を支給する動きが出ているが、大山社長は「短期的には良いが、消費マインドを改善するには良くないと考えている」と語った。

同社は資源高や円安に対応するため、一部製造を中国から日本国内に移し、移管した収納ケースなどの50品目について約20%のコストダウンを実現している。大山社長は「今後は日本で新しい商品を開発し、日本での製造比率を上げたい」と説明。「特に日本のおいしいコメや水を使った食品、飲料の比率を高めていきたい」と語った。

このほか大山社長は、政府が防衛費増額の財源に増税を検討していることについて、消費税を上げるのならば法人税を対象にすべきと述べた。法人税は利益に対して課税されることから「ある意味フェア」だとし、「法人税がきっかけで赤字になることはないが、消費が冷え込むと赤字になる」と語った。

ロイターによる前出の企業調査によると、財源として67%が歳出改革を求め、基幹3税のうち法人増税との回答は20%だった。消費増税は8%、所得増税は7%だった。

*インタビューは5日に行いました。

(佐古田麻優、ティム・ケリー 編集:久保信博)