[ロンドン 8日 ロイター] - 8日の米株式市場で、米アルファベットの株価が急落し、時価総額1000億ドル超を消失した。傘下グーグルの人工知能(AI)を使った自動応答ソフト(チャットボット)「バード(Bard)」が不正確な回答を生成した。検索サービスでのAI活用でマイクロソフトに出遅れるとの懸念が広がった。

アルファベットは7.7%安で引けた。9%下げる場面もあった。マイクロソフトは約3%上昇したが、約0.3%安で引けた。

同社はツイッターにデモを投稿。「9歳の子どもに教えられるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新たな発見は何か」という質問に対し、バードは複数の回答を生成。太陽系外の惑星の写真を最初に撮影したという答えも含まれたが、この写真は2004年に欧州南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)によって撮影されており、不正確な情報。ロイターが初めに誤りを発見した。

グーグルの広報担当者はロイターに対し「厳格な試験プロセスの重要性を強調している」とし、「外部からのフィードバックと内部試験を合わせ、バードの回答が質や安全性、現実の情報に基づく高水準を満たすことを確実にする」と述べた。

グーグルは同日、ライブ配信で説明会を実施した。バードの不正確回答は説明会の直前に発覚した。説明会ではバードを検索機能に組み込む手法や時期について具体的な話が不足していた。競合のマイクロソフトは前日開いたイベントで、新興企業オープンAIが開発したチャットボット「チャットGPT」を搭載した検索エンジンを発表した。

DAデビッドソンのシニアアナリスト、ギル・ルリア氏は「グーグルはここ数年AIのイノベーションを主導してきたが、検索サービスでの活用については眠っていたようだ」と述べた。

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