Arsheeya Bajwa Max A. Cherney

[21日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>が21日発表した第1・四半期(2─4月)の売上高見通しは前年同期比約233%増と、市場予想を上回った。人工知能(AI)向け半導体への需要拡大を見込んだ。

株価は引け後の取引で10%急騰。時価総額は1290億ドル余り増えた。

第1・四半期の売上高見通しは240億ドルを中心にプラスマイナス2%。LSEGがまとめたアナリスト予想は208%増の221億7000万ドルだった。

第4・四半期(2023年11月─24年1月)の売上高は221億ドル。市場予想の206億2000万ドルを7%上回った。

稼ぎ頭のデータセンター部門の売上高は409%増の184億ドルで、市場予想の168億ドルを上回った。第3・四半期は約280%増だった。

調整後の1株利益は5.16ドル。市場予想の4.64ドルを上回った。

第1・四半期の調整後粗利益率見通しは77%を中心にプラスマイナス0.5%。市場予想は75.6%だった。

インベスティング・ドット・コムのアナリスト、トーマス・モンテイロ氏は「事前の期待の高さやマクロ環境の悪化から、市場は決算発表後に『ニュースで売る』構えだったが、エヌビディアは今回も、AIブームが単に株式市場のナラティブ(物語)ではなく、世界中の企業にとって現在最も重要な賭けであることに疑いを残さなかった」と述べた。

企業がAIサービスの拡充を急ぐ中、エヌビディアのデータセンター向け半導体や画像処理半導体(GPU)に対する需要は増加が続き、同社製品は世界のAI向け半導体市場をほぼ独占している。

ただ、同社が示した売上高見通しの市場予想からの上振れ幅は昨年比で縮小。23年度第1─第3・四半期の売上高は市場予想を10─20%上回っていた。

インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏は「再び絶好調の四半期決算となったが、この業績急拡大がいつまで続くかという疑問が生じる」と指摘。「成長を遂げている世界のAI半導体部門で同社はかなりのリードを確保しているが、慢心は許されない」とした。

同社の半導体に対する需要急拡大に追いつけていなかったサプライチェーン(供給網)も改善しつつある。

ただ、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はアナリスト会見で、生産拡大に取り組みつつも、短期的には「合理的に」需要に追いつくのは難しいとの見方を示した。

コンサルティング会社クリエイティブ・ストラテジーズのベン・バジャリンCEOは「成長に関する最大の疑問は、供給がどの程度制約されたままになるか、需要が長期的にどう推移するかだ」と語った。

アナリストは主要なサプライヤーである台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>の先端パッケージング能力が今年前半に改善すると予想している。エヌビディアは供給制約の緩和が期待できる。

また、同社の売上高は米国の対中輸出規制強化に直面しながらも増加を続けている。

決算とは別にエヌビディアは開示資料で、フランスや欧州連合(EU)、英国、中国の反トラスト法(独占禁止法)当局からGPUの販売や供給を分配する取り組みについて要請を受けたと明らかにし、今後追加の要請を見込んでいるとした。