[ワシントン 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウンシュ・ベルギー中銀総裁は19日、ECBは年内に複数回の利下げを行う可能性があるとし、6月と7月に連続で利下げすることも選択肢になるとの考えを示した。

ウンシュ総裁はロイターのインタビューに対し、ECBによる6月の利下げはほぼ確実で、これが年内唯一の利下げになる公算は小さいと言及。7月に追加利下げが行われる可能性は「不確実性が多く、予測が難しい」としながらも、排除はしないと述べた。

その上で「年内の利下げ幅が0.25%ポイントにとどまる可能性は極めて低い」と語った。

ECBは6月6日の理事会で利下げを決定する可能性があると明確に示しているが、その後の動きについては米国のインフレの強さを踏まえ、不透明感が強い。

ウンシュ氏は、ユーロ圏と米国の経済は「デカップリング(分断)」したとの認識を示し、ECBと米連邦準備理事会(FRB)の政策金利の差は拡大する可能性があると言及。ユーロ相場などをユーロ圏のインフレへの波及経路として挙げ、「ベースラインを崩すものではないが、注意を払う必要がある」と述べた。