[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は15日公表した「金融安定性レビュー」で、金融分野での人工知能(AI)の利用は今のところ初期段階だが、監視が求められるのに加え、顧客への被害防止や市場を適正に機能させる観点から規制が必要とされる可能性があるとの見方を示した。

銀行やその他金融機関が情報処理などのために生成AIを活用する事例がいくつかあるが、顧客サービスの効率化やサイバー攻撃の脅威を検知する能力の向上に役立っていると分析。ただ、群集心理や特定のプロバイダーへの過度な依存、サイバー攻撃の巧妙化といったリスクもあると警鐘を鳴らした。

その上で「技術が進歩する中、金融システムにおけるAIの利用を注意深く監視する必要がある」と強調。

「加えて、既存の枠組みでは対処できない市場の失敗が明らかになれば、規制に向けた取り組みの検討が求められる可能性がある」と指摘した。