Miho Uranaka

[東京 20日 ロイター] - 大和証券グループ本社は20日、最終年度の2027年3月期に経常利益2400億円以上を目指すなどとする3カ年の中期経営計画を発表した。前期(24年3月期)比で約37%伸ばす。31年3月期の長期ビジョンも示し、経常利益3500億円以上を目指すとした。

4月に就任した荻野明彦社長はこの日の経営戦略説明会で「いまの事業環境をベースにすれば今期中計を達成する自信がある」と述べた。前期末に8.3%だったROE(自己資本利益率)は27年3月末に10%程度まで向上させる計画だ。

27年3月期経常利益の主要3部門の内訳はウェルスマネジメント840億円、アセットマネジメント910億円、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング605億円を目指す。

主要3部門に加えてインオーガニックによる成長も見込む。重視する分野はウェルスマネジメントとアセットマネジメント。富裕層・資産形成層など強固な顧客基盤を有する企業や金融機関との連携を盛り込んだ。大和証Gは今月に入り、あおぞら銀行、かんぽ生命保険との資本業務提携など相次ぎ公表している。

このほか、内外のブティックや特化型ファンドなどM&A(合併・買収)の分野でも買収を検討する。荻野社長は最終年度には3桁億円の利益貢献になる可能性もあるとの考えを示した。

売買手数料に頼らない収益構造の構築を目指す中、比較的安定的で予見可能性の高いビジネスセグメントであるウェルスマネジメント、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントをベース利益として定義し、前期の1000億円超から最終年度には1500億円にする計画も掲げた。

ベース利益の積み上がりにより業績の安定性が向上するとして、3カ年の中計期間中の配当方針として、1株当たり44円の下限配当を初めて導入する。