[20日 ロイター] - 四肢まひ患者などの治療に超小型デバイスを脳に埋め込む「脳インプラント」の臨床試験を申請していたイーロン・マスク氏の新興企業ニューラリンクに対し、米食品医薬品局(FDA)がこのほど2例目の治験を承認した。20日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。

1例目は2月に実施した。その後に脳に埋め込んだデバイスの小さなワイヤ複数本が本来の位置からずれる問題が発生した。これは5月初めに発表されていた。

同紙記者が関係者に取材し、文書を確認したところ、ニューラリンクはワイヤの一部を脳のもっと奥に埋めることで問題点を修繕する方法をFDAに提示した。これを受けてFDAが2例目の治験を承認したという。

同紙によると、2例目の治験は6月に行う見通しだ。年内は計10人を予定している。治験希望には1000人以上の四肢まひ患者が登録しているという。

ニューラリンクは英国とカナダでも治験を実施したい方針で、今後数カ月以内に両国の規制当局に申請書を提出することを目指している。

FDAはあらゆる個別の治験関連情報に言及も情報開示もできないと答えた。ニューラリンクはロイターのコメント要請に応じなかった。