David Milliken William Schomberg

[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は21日、2009年から21年にかけて購入した8750億ポンド(1兆1100億ドル)相当の国債をさらに売却するにあたり、短期金融市場の安定を維持する方法について概要を示した。

ベイリー氏は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでの講演で、中銀が保有債券の縮小を進めるに伴い、銀行などの金融機関が中銀にどれだけの現金を保有したいかが明確になると述べた。中銀は現在、年間1000億ポンドのペースで保有債券を縮小している。

中銀のバランスシートは、金融危機とコロナ禍の景気下支えに向けた量的緩和で膨れ上がっている。

ただ、中銀はこれまでバランスシートが08年の金融危機前の水準まで縮小するとは見込んでいないと述べている。

その代わりにベイリー氏は「望ましい最低準備金の範囲」が3450億ポンドから4900億ポンドの間になると予想しており、来年下期にもこの水準に達する可能性があると述べた。「バランスシートを再び利用する必要がある場合でも余裕があり、政策金利を通じて金融調整ができる」と説明した。

準備金は現在約7600億ポンドで、22年1月のピーク時の約1兆ポンドからは減少しているが、金融危機前の約200億ポンドは大きく上回っている。