Hiroko Hamada

[東京 22日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比227円58銭安の3万8719円35銭と、続落して取引を終えた。市場の関心が集まるエヌビディアの決算発表を控え、イベント前にポジション調整をする動きがみられた。ハイテク株の一角に売りが出て指数を押し下げ、日経平均は300円超値下がりする場面もあった。

日経平均は前営業日比123円安でスタートした後、前場中盤に321円安の3万8624円96銭で安値を付けた。指数寄与度の高いハイテク株の一角が売られ、相場の重しとなった。ただ、どんどん下げ幅が広がる展開にはならず、前場終盤にかけては3万8700円台でもみ合った。

マーケット参加者の視線はエヌビディア決算に集中している。市場の期待が高い分、「決算発表後は材料出尽くしで売りが先行するリスクもある」(国内証券・チーフ・ストラテジスト)との声も聞かれる。

岩井コスモ証券の投資調査部部長・有沢正一氏は「重要イベント前で手掛けにくさもあり、持ち高調整の売りがみられた」と話す。国内金利の上昇基調も上値を抑える要因になったとの見方もあった。一方、「イベント通過後は日本株の割安感に着目した買いも入り、底堅い展開となるのではないか」(有沢氏)という。

TOPIXは0.54%安の2744.83ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆9104億7700万円だった。東証33業種では、証券、保険、情報・通信など5業種が値上がり。海運、不動産、電気・ガスなど28業種は値下がりした。

個別では、東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学工業など半導体関連株が軟調。指数寄与度の高いファーストリテイリングは1%超安、ソフトバンクグループは1%超高だった。

TDKは1%超高。2027年3月期に営業利益率11%以上などの目標を盛り込んだ中期経営計画を発表し、好感された。

プライム市場の騰落数は、値上がり498銘柄(30%)に対し、値下がりが1111銘柄(67%)、変わらずが40銘柄(2%)だった。