[23日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は23日、4月のインフレ指標が若干の鈍化を示したとはいえ、物価上昇圧力は続いており、米連邦準備理事会(FRB)は利下げに踏み切る前に「もう少し忍耐強く」インフレ率が目標とする2%に向かっているとの確信を深める必要があるとの考えを示した。

総裁はスタンフォード大学ビジネススクールのオンライン授業で「インフレ率が目標に戻るかどうか、懸念はまだ払拭されていない」と述べた。

「雇用の伸びは力強く、経済に大きなエネルギーがあることが示されている。景気後退に陥るリスクは現時点でないため、一段と制約的な水準に(金利を)維持することに安心感を覚えている」と語った。

ボスティック総裁は借り入れコストがより魅力的な水準になるまで資本投入を待っているという企業経営者の声を聞いていることもあり、今年第4・四半期まで利下げを遅らせる必要があるかもしれないとの考えを示している。

「それは経済活動の活発化を促し、われわれが達成しようとしていることの逆効果になるかもしれない」とし、FRBは金利を引き下げる前に「もう少し忍耐強く」なり、インフレの進展に関して確信を深める必要があると語った。

FRBが2%のインフレ目標を達成するまで目標の変更は検討しない考えを示した。一方、達成すればパンデミック(新型コロナの世界的大流行)以降の経済の構造的変化がインフレ率を押し上げている可能性を踏まえ、新たな目標が必要かどうかを議論する時期になるかもしれないとした。