Pesha Magid

[リヤド 24日 ロイター] - サウジアラビアの政府系ファンド(SWF)、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、ヤシル・ルマイヤン総裁の職務の一部を他の経営幹部に移譲する組織改革を検討している。実現すれば2015年のルマイヤン氏の総裁指名以降で最大級の改革となる。複数の関係筋が明らかにした。

PIFはサウジの実力者ムハンマド皇太子が進める「脱石油」経済改革の中核を成し、ルマイヤン氏はPIFが投資した多くの企業で取締役会のメンバーとなっている。

しかし2人の関係筋によると、PIFの規模が大きくなり、体制が複雑になったため、ルマイヤン氏の職務の一部を移譲する必要がありそうだという。この関係筋の1人は、PIFの対外的な「顔」は引き続きルマイヤン氏が担うとの見通しを示した。

PIFは運用資産が足元で9250億ドルと、2015年の約1500億ドルから大幅に増加。ウェブサイトの記載によると94社に投資している。21年には副総裁ポスト2つを新設した。

関係筋によると、PIFはコスト増のため旗艦となる「ギガプロジェクト」の一部で規模を縮小したことを受けて、投資先を成功の可能性が高い案件に絞る方針。また2人の関係筋によると、一部のプロジェクトで外国投資の誘致を広げる計画だという。

関係筋の1人は、協議はまだ継続中で、決定は流動的だと述べた。PIFの広報担当者はコメントを避けた。