(法令違反の時期・件数を明確にしました)

Miho Uranaka

[東京 14日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は14日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券を行政処分するよう金融庁に勧告した。

顧客情報を無断で共有し営業活動に使っていた。役員が関与した事案もあった。金融商品取引法に違反する行為で、金融庁は、業務改善命令などの行政処分を検討する。

金商法では、顧客が不利益を被らないようにするため、グループ内の銀行、証券会社の間で顧客の同意を得ずに情報を共有することを制限する「ファイアウオール(FW)規制」がある。

三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の間では、少なくとも10回にわたり違法な非公開情報の授受が行われていた。同行の専務執行役員(当時)や同証券の副社長(当時)が関与している状況も確認された。社内での法人関係情報の管理体制の不備も見つかった。 このほか三菱UFJ銀行が、融資をする条件として、顧客の公募増資の実施に際して、引き受けシェアを拡大する交渉を行うなどの行為があった。 顧客企業に対し、銀行に認められていない有価証券の勧誘を行うなど、金商法上の「登録金融機関」として手掛けられる証券業務の範囲を超えた行為もあった。

監視委は、顧客軽視、収益重視の営業姿勢の結果ともみている。グループ収益の拡大を掲げる中で、法令違反に関する認識が希薄で、収益確保が法令違反行為の一つのインセンティブとなっていたと指摘。モニタリングや内部管理体制が十分ではなかった、とした。

一方、監視委は、銀行の優越的地位を不当に利用する行為である「優越的地位の濫用」までは認定しなかった。

法令違反は、銀証間における非公開情報の不適切な授受が2021―23年に合計26件あった。法人関係情報の管理体制不備は20―23年、登録金融機関による有価証券関連業の禁止に関する違反は18―23年に確認された。

MUFG、三菱UFJ銀、三菱UFJモルガン・スタンレー証は連名でコメントを発表。「管理態勢の強化をあらためて進め、実効性をより高めた具体的方策を盛り込んだ再発防止策に全力をあげて取り組み、内部管理態勢の一層の充実・強化を図る」とした。

3メガバンクグループへの行政処分では、22年のSMBC日興証券の相場操縦事件がある。金融庁は金商法違反でSMBC日興に業務停止命令と業務改善命令を出したほか、親会社の三井住友フィナンシャルグループに対して、SMBC日興証券のガバナンスの管理徹底を求めて措置命令を出した。

また、SMBC日興証券の相場操縦事件を巡る監視委の検査の最中にFW規制違反も判明し、金融庁は、三井住友FGと三井住友銀行に銀行法に基づく報告徴求命令も出している。