[チューリヒ 20日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は20日、政策金利を1.50%から0.25%ポイント引き下げ1.25%とすると発表した。3月に続く2会合連続の利下げとなる。ジョルダン中銀総裁は、最近のスイスフランの上昇に対し、市場介入する姿勢を示した。

ロイターのエコノミスト調査では、3分の2が利下げを予想していた。

中銀は「基調的なインフレ圧力は前四半期と比べて再び低下した」と指摘し「本日の利下げにより、適切な金融環境を維持できる」と述べた。

「本日の利下げを考慮すると、新たな条件付きインフレ予測は3月の予測と同程度となる。長期的には前回予測をわずかに下回る」と指摘した。

足元で成長が回復し、インフレ鈍化が一服していたこともあり、市場では据え置きの可能性も32%織り込んでいた。

追加利下げは、最近のスイスフラン高も考慮した対応。極右政権が誕生する可能性もあるフランスの選挙など欧州の政局不安を背景にフランは対ユーロでこの1カ月に4.5%上昇した。

ジョルダン総裁は会見で、最近のフラン上昇は主に欧州で再び政治リスクが浮上したためだと指摘し「われわれは必要に応じて外為市場で積極的に行動する用意がある」と述べた。

また中銀のインフレ率予想が下方修正されたことにも言及した。今回の予想では最も先の2027年第1・四半期も1.0%と0─2%の目標レンジに十分収まると予想した。

総裁は「物価安定の維持は中銀の使命であり、われわれはインフレに焦点を当てている」とし、インフレに関する正しい決定が、経済支援に向けた正しい決定にも反映されるとした。

INGのエコノミスト、ピーター・ヴァンデン・ハウト氏は、最近のフラン高を考えると、利下げに意外感はないと述べた。

「第1・四半期の成長率がまずまずだったため、利下げする必要はなかったが、インフレ見通しが良好なため、中銀は緩和可能とみたのだろう」とし「利下げは、必要に迫られたというより、利下げできるからしたというところだ」と述べた。

ただエコノミストらは今回の利下げで今後の利下げ余地が狭まったと指摘する。UBSのエコノミスト、マキシム・ボテロン氏は、今の金融緩和サイクルの最終到達点を1.00%と予想。0.25%利下げがあと1回とみている。