[東京 7日 ロイター] - 政府は7日、東京都、大府阪、京都府、兵庫県に出している緊急事態宣言の延長を正式決定した。期限をこれまでの11日から31日まで延ばし、福岡県と愛知県を追加する。菅義偉首相は会見で、ワクチンの接種を加速化し、接種が進むまで感染拡大を食い止めると強調した。短期集中の措置として連休中に実施した3回目の宣言は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけることができず、東京五輪の開会は77日後に迫っている。

<変異株拡大、状況改善に時間>

菅首相は、緊急事態地域の拡大と期限延長を正式決定した後、記者会見し、連休中の人流は抑えられたが、新規感染者はステージ4を超える水準だと指摘。変異株も拡大しており、状況の改善に一定の期間を要するとの認識を示した。

ただ、これからは大型連休とは違い、平常時に高い効果が見込まれる措置をとる考えで、大型商業施設への休業要請を午後8時までの時短営業に緩和する。無観客を求めていたイベントの開催は、上限を5000人あるいは収容人数の半分に緩和する。その上で、感染状況が厳しい東京と大阪は、「知事の判断でこれまでの措置を継続できるようにしている」(西村経済再生相)としており、小池百合子東京都知事は1000平方メートルを超える施設は引き続き休業を要請する考えを示した。

酒類とカラオケを提供する店には引き続き休業を要請するとともに、酒類の持ち込みを認める店もこれに加える。

変異株への対応としては、インド、パキスタン、ネパールからの入国者について、3回の検査と6日間のホテル待機を求めるなど、水際対策も強化する。

<地方にも広がる感染、宣言解除は総合的に判断>

まん延防止等重点措置は、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛媛県、沖縄県への適用を31日まで延長する。知事から要請があった北海道と岐阜県、三重県を加える。これまで対象としていた宮城県は11日までで解除する。

感染拡大は首都圏や近畿圏以外にも広がっている。国内メディアによると、この日は岐阜県、福島県、愛知県、岡山県、香川県、大分県、佐賀県、石川県で過去最多の感染者が確認された。東京都でも907人、大阪府は1005人の新型コロナウイルス感染が確認された。

菅首相はこうした状況に対して、1日100万回のワクチン接種を目指し、7月末までに希望する高齢者すべてに接種できるよう、あらゆる手段を尽くす考えを示した。宣言解除の基準については、ステージ4からの脱却を目安とする一方、「専門家や自治体の意見も聞いて総合的に判断する」と語った。

<五輪は感染対策を徹底、中止に23万超の署名も>

4月25日から出していた緊急事態宣言の延長は、東京五輪・パラリンピックの開幕が77日後に迫る中での決定となる。6日にオンラインイベントに登壇した小池百合子都知事は、あらためて開催への意欲を表明。国際オリンピック委員会(IOC)は同日、選手団にワクチンを提供することで米ファイザー、独ビオンテックと合意したことを明らかにした。

首相も会見で、感染対策を徹底することで安全・安心な大会実現は可能との考えを示した。

ただ、今夏の五輪開催巡っては慎重な見方も強まっており、共同通信が4月12日に公表した世論調査では、7割超が中止あるいは再延期を求めた。日弁連の元会長で、都知事選にも出馬した宇都宮健児氏が5日から始めた五輪中止を呼びかける署名は、7日夜の時点で23万を超えた。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長はこの日午後の定例会見で、5月中旬と一部で報じられたバッハIOC会長の来日について問われ、「非常に厳しいのではないかと思う」と発言。「宣言が延長されるという状況になっては、非常に困難な状況に来ていただくのもバッハ会長に大きな負担をお掛けするのではないか」と語った。

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