[ブリュッセル 18日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)を含む世界の主要国が新型コロナウイルスワクチンの特許について、「自主的なライセンシング、技術と知見の移転、特許プール」の推進にコミットメントを示すことがロイターが入手した草案文書で分かった。特許権の一時放棄を巡る各国の見解の相違が埋まらない中、ワクチンの国際的な供給を増やすための対応は妥協を余儀なくされている。

ロイターが入手した草案文書は、G20、およびその他の国が参加する「グローバル・ヘルス・サミット」で21日に採択されるコミットメントの一覧。今後、内容が変更される可能性もあるが、米国が賛同を示した特許の一時放棄に関する言及はない。

バイデン米大統領は今月5日、世界貿易機関(WTO)で提案された新型コロナワクチン特許の一時放棄を支持すると表明。インドのほか多くの途上国に同調するもので、供給増を後押しし、公平なワクチンの世界的な分配に貢献するとした。

ただ欧州連合(EU)のほか、ワクチンを製造する国は、米国によるワクチン原材料の輸出規制の撤廃、技術移転、ワクチン製造業者の間の自主的な協力の方が世界的なワクチン製造増に貢献するとの見方を表明。見解は分かれている。

「特許プール」は製薬会社が自主的に途上国との製造ライセンス共有を決定するもので、特許の一時放棄よりは穏健な方法。これまでにアフリカ諸国に対する抗エイズウイルス(HIV)薬の提供にこの手法が利用された。

草案文書は、新型コロナ対策の国際的な枠組み「ACTアクセラレーター」に対する支持も改めて表明。ただ「公平に負担を分配し、資金不足を解消する必要性を強調する」と述べるにとどまり、完全な資金提供への明確なコミットメントは示されていない。これより前の段階の草案には「公平で完全な資金提供」が盛り込まれていたが、特許放棄と同様に内容が薄められている。

草案文書はこのほか、将来的な公衆衛生上の緊急事態の発生を防ぐために世界保健機関(WHO)に「適切、持続的、予見可能」な形で資金が提供される必要があると指摘。前段階の草案より具体的に踏み込んでいる。