[香港 11日 ロイター] - 米国のハンスコム・スミス香港駐在総領事はロイターに対し、国家安全維持法(国安法)の施行で香港には「抑圧感」が生まれ、自由と国際ビジネス都市としての地位が揺らいでいると指摘した。

スミス氏は、香港の活動家と会うといった、通常の外交活動が、政府の外国勢力取り締まりの一環で非難されることは「恐るべき」もので、香港を衰退させると指摘した。

有識者によると、外国勢力の問題は、外国勢力と結託して国家秘密を探る行為などを罪とした国安法第29条の柱。第29条で定めた行為にあたるとみなされれば、最大で終身刑となる。

スミス氏は「人々には越えてはならない一線が何か分からない。それが、基本的な自由のみならずビジネスにも悪影響をもたらしている」と述べ、国際ビジネス拠点と名乗っておきながら外国人を非難するプロパガンダを展開することはできないと指摘した。

香港保安局はロイターの問い合わせに対し「通常のやり取りや行動」は法に触れないとし、2019年に民主化デモが活発化した際に外国勢力の介入があったと主張した。

元保安局長で現在は香港政府の顧問を務める葉劉淑儀(レジーナ・ イップ)氏はロイターに、国安法違反を心配する理由があるのは「嫌中派」だけだとし、「なにげない対話ではなく犯罪の意図があるはず」と述べた。

民間調査会社によると、法律事務所やヘッジファンドをはじめ、企業から盗聴装置などが仕掛けられていないか、調査依頼が増えているという。

アジアや欧米の外交官14人はロイターに対し、香港の政治家や外交官とのつながりを香港検察当局が国安法違反の理由に仕立てようとしているのではないかと懸念していると語った。