[東京 6日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)の調査担当責任者、ヒュン・ソン・シン氏は最近のロイターのインタビューで、アジアは他の地域に比べて供給ショックによるインフレの急上昇を回避するのに健闘し、賃金による物価の急上昇に対してもそれほど脆弱ではないとの見解を示した。

米欧では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるロックダウン(都市封鎖)から経済が再開するのに伴い、製品に対する需要の急増がサプライチェーン(供給網)ショックを引き起こし、インフレ率を押し上げている。

シン氏は、これらの地域では労働市場が「賃金価格スパイラル」を引き起こすほど引き締まるかどうかが物価見通しの鍵となると指摘。賃金上昇がインフレを定着させるような「賃金価格スパイラル」が起こらない限り、耐久財の価格上昇は短期間に落ち着くだろうと言及した。

「しかし、これはちょっとした時間との戦いだ。もしインフレが持続するなら、当然この種のインフレは賃金設定に影響を与えるからだ」とし、「それが一種のスパイラルを引き起こすのに十分なのかどうかを警戒しなければならない」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は、来年下半期にインフレが収まらない可能性を視野に入れ、テーパリング(量的緩和の縮小)の加速を示唆した。

シン氏は、アジアは例外的に供給ショックをうまく切り抜け、インフレ率は「存在しないか、非常に低い」と説明。その理由の1つとして、アジアの企業はパンデミックの初期のショックの間、他の地域の企業よりも雇用を維持していたため、経済が再開された後に労働者を呼び戻すための賃金上昇を見送ることができたのではないかと考えられる。

シン氏はアジアでの「新型コロナの最初のショックの中で、企業と労働者の関係がどのように維持されていたのかが重要な論点の一つになる」とし、「企業と労働者の関係がうまく維持されていた国は、課題によって上手に対処してきた」と指摘した。