[東京 23日 ロイター] - 訪日中のバイデン米大統領と岸田文雄首相は23日に首脳会談を行い、軍事・経済面ともに力を増す中国への対応や、日本の防衛力増強などを協議する見通しだ。バイデン氏は滞在中に新たな経済連携の立ち上げを表明、24日には日豪印の首脳と4人で会談する。

バイデン大統領の訪日は昨年1月の就任後初めて。22日午後に韓国から東京の米軍横田基地に到着した。関係者によると、その後に米大使公邸でトヨタ自動車の豊田章男社長ら日本の財界人と会った。

23日は午前に天皇陛下と面会後、岸田首相と会談し、ロシアによるウクライナ侵攻や、中国を中心にアジアの地域情勢などについて協議し、力による一方的な現状変更の試みを非難することで一致する見込み。日本は年末までに国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を揃って見直す予定で、会談では自衛隊の増強も話し合う。

核軍縮、宇宙分野や脱炭素分野の協力、半導体の供給網(サプライチェーン)強化も議題になる。

岸田首相は21日午前、記者団に対し、ウクライナ問題や地域情勢、経済、気候変動、核軍縮などで意見を交わすとした上で、「日米同盟のさらなる強化もしっかり確認したい。自由で開かれたインド太平洋の実現といった取り組みも緊密な連携を確認したい」と述べた。

バイデン大統領は会談後、目玉政策と位置付ける新たな地域経済連携「インド太平洋地域枠組み(IPEF)」の立ち上げを表明する。米国は関税引き下げを伴う環太平連携協定(TPP)を離脱しており、経済面でも力を増す中国をけん制するため、別の枠組みで網をかけようとしている。

しかし、巨大な米国市場にアクセスできる機会が増えるかどうか分からない枠組みに参加するメリットを感じる国は多くなく、23日は正式な交渉の開始ではなく、協議開始で合意したと表明するにとどまる見通し。

24日には日米豪印が4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合を東京で開く。バイデン大統領と岸田首相のほか、インドのモディ首相も対面形式で参加する。21日の総選挙で9年ぶりに政権交代したオーストラリアは、首相に就任する見込みのアルバニージー労働党党首が訪日して出席することに意欲を示している。

4カ国は中国への懸念を共有しているものの、主にインドの立場を考慮し、これまで名指しして批判することは避けてきた。ウクライナに侵攻したロシアに対しても、安全保障面で同国とつながりのあるインドが参加していることから、共同声明に強い文言が盛り込まれることはないと専門家はみている。

バイデン大統領は21日に韓国ソウルで尹錫悦大統領と初の首脳会談を行い、軍事演習拡大のほか必要なら新たな兵器配備を行うことで合意した。

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