[ジュネーブ 9日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は9日、トランプ前大統領が課した鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する関税はWTOのルールに違反しているとし、米国に対しWTOのルールに適応させるよう勧告した。

米国の鉄鋼・アルミ関税を巡っては、複数のWTO加盟国が提訴しており、今回は中国、ノルウェー、スイス、トルコの訴訟について判断された。インドとロシアの訴訟に関する判断はまだされていない。

これを受け、米国側はパネルの「不備のある」解釈と結論を強く拒否すると表明。米国はパネルの判断を不服として控訴することが可能だが、米国は紛争処理機関の最終審に当たる上級委員会の新たな委員の選任を拒否し上級委は機能不全に陥っているため、控訴された場合には法的効力が失われることになる。

米通商代表部(USTR)は声明で、中国の過剰生産能力が米国の鉄鋼・アルミセクターと国家安全保障の脅威になっている中で米国は黙って見守るつもりはないと指摘。「紛争の結果として米通商拡大法232条に基づく関税を撤廃する意向はない」とし、今回のパネルの判断はWTO改革の必要性を強調したとした。

米鉄鋼業界もパネルの判断を批判。米鉄鋼製造業者協会(SMA)は、米政府がパネルの判断の受け入れを拒否したことを支持すると表明した。

一方、中国は米国がパネルの判断を尊重し「可能な限り早期に不当な行為を正す」ことを望むとした。