[キーウ 31日 ロイター] - ロシアは31日、激戦が続くウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムト近郊の集落、ブラゴダトノエを制圧したと主張した。

ウクライナ側はコメントしておらず、ロイターは現地の状況を確認できていない。

ブラゴダトノエを巡っては、ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップが3日前、自社の戦闘員が制圧したと主張。ウクライナ側は撃退したとしていた。

ブラゴダトノエはバフムトの北約5キロに位置し、バフムトに続く幹線道路沿いにある。ロシア国防省は航空支援によって同市を制圧したと述べた。

ウクライナ軍は同日、バフムトに続く道路に対するロシアの攻撃を撃退し、重要な供給ラインを維持したと明らかにした。

ウクライナ軍のチェレバティ報道官は、ロシアはチャシフヤールからバフムトに通じる道路の遮断に失敗したとし、補給に利用している道路は遮断されておらず、バフムトのウクライナ軍には必要なもの全てが供給されていると述べた。ただ、ロシアは引き続きバフムトを攻撃の主な焦点としているとの見方を示した。

一方、ロシアの大規模部隊は今週、東部戦線の南に位置するウグレダールへの攻撃に乗り出した。ロシア当局者は同地で足がかりを確保したと主張しているが、ウクライナは攻撃をほぼ撃退したとしている。

英国防省はウグレダールのロシア軍部隊について、通常数千人で構成される旅団以上の規模だとし、ウクライナ側の兵力をバフムトから分散させる狙いの可能性があると分析した。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「前線にある都市への組織的な砲撃に加え、兵器の蓄積、部隊の再配置、追加の強制動員を踏まえると、ロシアに和平に向けた準備はない」とツイッターに投稿。「こうした動きは重大なエスカレーションの直接的な兆候だ」とし、ウクライナにさらに多くの兵器が必要だと訴えた。