[シンガポール 3日 ロイター] - 中国の独立系製油所は政府の原油輸入枠が一部で不足する中、安価な原料として使用するためにロシア産をブレンドした割安な燃料油の輸入を増やしている。関係筋の話やデータで明らかになった。

ロシアのウクライナ侵攻を巡る西側諸国の制裁措置を受け、昨年からロシアの燃料油が魅力的な割引価格でアジアに流入している。

山東省東部の独立系製油所の幹部は「12月からロシアの燃料油に注目してきた。安い上に(原油の)輸入枠も必要ない」と匿名を条件に述べた。

この製油所は過去1年ほど政府から輸入枠を受けておらず、主にディーゼル燃料やガソリンを生産するための直留燃料油を購入しているという。

ある関係者によれば、これらの混合燃料油は直近では山東渡しベースでベンチマークのICEブレント原油に対して約5ドルのディスカウントで取引されている。

中国税関当局のデータによると、12月の燃料油輸入総量は約176万トンに急増し、2021年9月以来の高水準となった。

マレーシアからの出荷が62万トンと1年以上ぶりの高水準に急増したほか、アラブ首長国連邦(UAE)からの輸入量が47万1000トンと2年ぶりの高水準になったことが背景。

一方、ロシアからの燃料油の直接輸入は10月の55万4000トンをピークに12月は18万7000トンにまで落ち込んだ。