[キーウ 5日 ロイター] - ウクライナのレズニコフ国防相が交代することが分かった。ゼレンスキー大統領に近い有力議員デービッド・アラカミア氏が5日、明らかにした。ゼレンスキー氏が進める人事刷新の一環。

後任には国防省の情報部門トップ、キリロ・ブダノフ情報総局長が就任し、レズニコフ氏は別の閣僚ポストに就く。

37歳のブダノフ氏は機密作戦で活躍した謎の多い諜報員で、急速に昇進したことで知られる。

アラカミア氏は通信アプリ「テレグラム」に「戦争は人事政策の変更を要求する」と投稿した。正式な交代時期は明らかにしなかった。

汚職疑惑などを巡り、政府高官の辞任や更迭が相次ぐ中、国防相の交代は最も注目されるものとなるとみられる。

アラカミア氏は国防省などの軍隊関係機関のトップについて、戦時中は政治家ではなく、防衛・安全保障分野での経験を有する人物が就くべきとの認識を示した。

また、レズニコフ氏は戦略的産業の担当相に就くとした。

レズニコフ氏はこれについて、オンラインメディア「Fakty ICTV」に対し初耳だと説明。「私が突然、ウクライナ大統領や首相からそのようなオファーを受けたら、専門知識がないため断るだろう」と語った。

レズニコフ氏は元弁護士で、ロシアによる本格的なウクライナ侵攻数カ月前の2021年11月に国防相に就任した。

同氏の人事についてゼレンスキー氏からの発表はまだない。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は5日夜、国営放送で国防相交代の可能性について聞かれ、「レズニコフ氏は同盟国とのコミュニケーションで極めて高い効果を発揮した」とし、軍事支援の確保に貢献したと指摘。

その上で「残念ながら現在、われわれは自らへの信頼を失いつつある」と語った。

レズニコフ氏は戦時下の汚職を強く批判してきたが、ここ数週間は自身が率いる国防省で食料契約を巡る汚職疑惑が浮上。解任された国防次官が捜査を受けているほか、別の次官も辞職した。