[イスタンブール 4日 ロイター] - 米政府はトルコに対して、ロシアがウクライナでの軍事作戦に転用可能な化学製品やマイクロチップなどがトルコから輸出されており、このままでは企業ないし銀行が制裁対象になると警告している。

米財務省のネルソン次官(テロ・金融情報担当)は2―3日にトルコを訪れて政府や民間企業の幹部らと会談し、こうした製品のロシア向け禁輸でより緊密な連携を促した。

ネルソン氏はトルコの銀行関係者への講演で、1年にわたってトルコからロシアへの輸出が続いているのは明白で、トルコ企業は特に制裁リスクにさらされやすくなるか、主要7カ国(G7)の市場にアクセスできなくなる恐れがあると指摘。ロシアの軍産複合体に利用されかねない軍事転用可能な技術に関連した貿易を避けるよう用心すべきだと訴えた。

またある米政府高官は、ネルソン氏や米国代表団の1人がトルコにおける複数の会合で、数千万ドル規模の輸出が懸念対象に上っていると強調したと明かした。

トルコはロシアに対する包括的な経済制裁には原則として反対しているが、制裁逃れの取引がトルコ経由で行われるとの見方は否定している。