[ベンガルール(インド) 5日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は5日、世界で2番目に石油消費量が多い中国の需要回復を受けて、石油生産国は生産方針を再考する必要があるかもしれないと述べた。

新型コロナウイルス規制を解除した中国の需要は、2023年の石油・ガス市場で最大の不確実要素になっている。

ビロル氏はイベントの合間にロイターに対し、「今年の世界石油需要の伸びの約半分は中国からもたらされると予想している」と指摘。また、中国のジェット燃料需要は爆発的に伸びており、需要に上昇圧力がかかっているとも述べた。

その上で「もし需要が非常に強く伸び、中国経済が回復すれば、『OPECプラス』諸国が(生産)政策を見直す必要性が出てくると私は考えている」とした。OPECプラスは石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成している。

同氏はこれとは別に、ロシア産石油に対する価格上限について、石油市場の安定とロシアの石油・ガス輸出による収入減という両方の目的を達成したと述べた。ロシアの収入は、1月に前年比30%近く(約80億ドル)減少した可能性が高いという。