[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリアのマールズ国防相は9日、省内で使用されている監視技術を調査すると発表した。省内に設置された中国製監視カメラが安全上のリスクになっているとの報道を受けた。

英国は昨年11月に 機密情報を扱う政府庁舎に中国製の監視カメラを設置することを中止するよう指示している。また、米国の一部州は複数の中国企業の製品を使用禁止にした。

マールズ国防相はラジオ局に対し、省内の監視技術を全て精査し、特定のカメラが見つかれば撤去すると述べた。

野党議員のジェームズ・パターソン氏は同日、自身の調査で中国政府が一部保有する杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン・デジタル・テクノロジー)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)製の約1000台の機器が政府機関内の250カ所以上の場所に設置されていることが明らかになったと述べ、政府に早急に撤去方針を示すよう求めた。

マールズ国防相は重要な問題だが「大げさに主張すべきではない」との立場を示した。

ハイクビジョンは、同社がオーストラリアの国家安全保障上の脅威になっているとの主張は「完全な誤りだ」と主張。同社にはエンドユーザーの動画データにアクセスしたり、エンドユーザーのデータベースを管理することはできないと述べた。

ダーファ・テクノロジーのコメントは取れていない。

オーストラリアのアルバニージー首相は記者団に、カメラの撤去に中国がどう反応するか懸念していないと発言。「国益に従って行動する。透明性の高い形で行動する。今後もそうした行動を続ける」と述べた。

中国外務省報道官はオーストラリアの対応に関する質問に答え、同国が中国企業に公平な環境を提供することを望んでいると述べた。