Stella Qiu Wayne Cole

[シドニー 14日 ロイター] - オーストラリア政府は14日、年次予算案を発表した。インフレ対策として光熱費と家賃の軽減措置を盛り込んだ。

納税者1人当たり年平均1888豪ドル相当の所得税減税に加え、再生可能エネルギー、重要鉱物、国防への予算増額も表明した。

チャーマーズ財務相は議会での予算演説で「最優先事項は国民の生活費を支援することだ」と述べた。

35億豪ドルのエネルギー代軽減策(全世帯に年間300豪ドルの割り戻しに相当)は2025年6月までの会計年度の総合インフレ率を約0.5%ポイント低下させると見込まれている。

ただアナリストは、コアインフレ率についてはなお高止まりする可能性があると考えている。

政府はまた、今後4年間で国防費を57億豪ドル増額する。これは過去数十年で最大の増額幅。地域で台頭する中国に対抗するためミサイル、無人機、軍艦を強化する。

好調な雇用市場とコモディティー(商品)価格の高騰を受け、2年度連続で財政黒字となるが、向こう数年は赤字に戻ると政府は見込んでいる。

長期の商品価格見通しに変更はなく、鉄鉱石のスポット価格は25年1─3月期までに1トン当たり60ドルに、一般炭価格は同70ドルにそれぞれ下落すると想定されている。