[エルサレム 21日 ロイター] - イスラエル当局は21日、AP通信のカメラ機材を押収したが、メディア団体や同盟国である米国からの激しい抗議を受けて後刻、その措置を撤回した。

シュロモ・カルイ通信相は声明で、国防省の決定を待って当初の決定を取り消し、押収した機材を返還するよう当局に命じたと述べた。

これより先にイスラエル通信省は、AP通信が中東の衛星テレビ局アルジャジーラに生中継の映像を提供したことは法律違反だとし、機材を押収した。イスラエルは今月初め、アルジャジーラの報道が国家の安全を危険にさらすとして、一時活動停止処分を下していた。

4月に可決された外国放送法は、政府が国家安全保障を理由に外国の放送局に一時的な放送停止を命じることを認めている。

AP通信によると、同社はイスラエル南部スデロトからパレスチナ自治区ガザの様子を映した生中継を停止するよう命じられた。AP通信はこの措置が「イスラエル政府による外国放送法の乱用」によるものだと反発していた。

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の報道官は、この件は憂慮すべきものであり、ジャーナリストには職務を遂行する権利があると述べた。

メディアの権利団体はイスラエルの行動を激しく非難。国境なき記者団も「言語道断の検閲」と反発していた。

イスラエル首相府からのコメントは得られていない。