Ami Miyazaki Nobuhiro Kubo Ju-min Park Satoshi Sugiyama

[東京/ソウル 30日 ロイター] - 日韓の防衛当局は30日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと発表した。韓国軍は短距離弾10発程度だったもようとしている。北朝鮮は27日に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗。6月4日まで打ち上げの通告期間が続いており、日本や韓国は警戒を続けている。

韓国軍によると、北朝鮮は午前6時14分に平壌近郊の順安から約10発の短距離弾を東岸沖へ発射。約350キロ飛行したと分析している。韓国は発表で、日米に関連情報を共有したとしている。

日本政府によると、同国の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。少なくとも1発は最高高度100キロ程度で、350キロ以上飛行したと推定している。

岸田文雄首相は官邸で記者団の取材に応じ、北朝鮮に抗議したことを明らかにした。「国連安保理決議に違反するものであり、強く非難する」と語った。「日米、日米韓の連携も緊密に行っていきたい」と述べた。

米国は北朝鮮に対し「さらなる違法かつ不安定化を招く行為」をやめるよう求めた。

韓国合同参謀本部は、発射されたミサイルは全て同じ種類のものとの見方を示した。ロシアへの輸出用と思われるタイプで、同国を含む北朝鮮製ミサイルに関心のある国に誇示することを狙った可能性があると分析した。

ロシアはこれまで、ウクライナ国内の標的に向けて北朝鮮製の短距離弾道ミサイルを最大50発発射したが、最大半数が予定の軌道を外れて空中で爆発したと残骸を調べたウクライナ当局者が明らかにした。

ロシアと北朝鮮は、北朝鮮に対する武器禁輸措置に違反するいかなる武器取引も行っていないと主張している。

国連安全保障理事会は31日、北朝鮮が27日に失敗した軍事偵察衛星の打ち上げについて緊急会合を開催する。日韓を含む西側諸国は、衛星の打ち上げであっても北朝鮮による弾道ミサイル技術を使った発射行為は安保理決議違反と非難している。

韓国は29日、北朝鮮が大量の風船でごみや汚物を韓国側に飛ばしたと非難した。