[ブラジリア 4日 ロイター] - ブラジル連邦警察は4日、ボルソナロ前大統領が在任中にサウジアラビア政府から国家元首として贈られた320万ドル相当のスイスのショパール製宝飾品などを違法に私物化した横領などの疑いで正式に告発した。2人の警察関係筋が明らかにした。

検察が今後、警察の告発に基づいて捜査し、起訴の是非を判断する。

警察は3月に新型コロナウイルスワクチン接種記録の偽造容疑で前大統領を正式告発。今回は2度目の告発となる。

関係筋によると、宝飾品などを巡って前大統領にかけられた容疑はマネーロンダリング(資金洗浄)と犯罪組織への関与、横領。警察は前大統領のサウジ訪問に同行したベント・アルブケルケ元鉱業・エネルギー相や前大統領の広報担当ファビオ・ワインガルテン氏のほか元側近や顧問弁護士らも一斉告発した。

前大統領とミシェリ夫人に対するサウジからへの贈り物には、ダイヤモンドのネックレスや指輪、時計、イヤリングも含まれていた。このうち、宝飾品の一部は2021年10月、サウジ首都リヤドからサンパウロにある国際空港に帰国した政府関係者の税関検査でバックパックの中から見つかり押収された。

警察は昨年、複数の軍将校の自宅を家宅捜索し、前大統領が宝飾品の一部を米国で売却するのを手助けしたとみて捜査を進めていた。